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キリンビバレッジ
生産と物流のコストの総和を最小化、新しい需給計画システムで年間数億円を削減へ

川又 英紀=日経情報ストラテジー 2008/12/11 日経情報ストラテジー

 キリンビバレッジが2008年6月に稼働させた、生産と物流のトータルコストを最小化するための新しい需給計画システム「SCOPE(スコープ)」がこの約半年間、順調に成果を上げ始めている。新システムは生産部の需給担当者が清涼飲料の需給計画を立案するのに使っている。従来までの人手に頼った計画法に比べて、年間で数億円規模のコストを削減できる見通しが立った。1ケース当たり数円のコスト削減が、年間では数億円の削減につながる。ロジスティクス本部の松本重雄・企画担当部長代理は「システム投資額は2年で回収できるだろう」と話す。

 新システムはキリンビバレッジが2007年1月に自社開発に着手したもので、2008年4~6月にかけて段階的に稼働した。大きく4つの機能からなり、(1)コスト最適化のための週次での需給計画立案、(2)日次での需給管理と調整、(3)在庫日数や販売実績、廃棄実績などコストの可視化、(4)各種条件を変更した場合のシミュレーションで構成する。

独自システムがトータルコストを自動計算

 新システムの使い方はこうだ。生産部の需給担当者が、全国を7つのエリアに区切って、各エリアでの商品ごとの需要と、センターで保管しておきたい商品の在庫日数を入力する。すると新システムが、どの工場で何本ずつ生産し、どのセンターに運べば最小のコストに収まるかを弾き出す。

 新システムでは生産拠点ごとに、製造時の飲料1本当たりの「モデル原価」を設定してある。キリンビバレッジの生産拠点は委託工場も含めると合計40拠点に及ぶ。自社グループ内には6工場あり、ペットボトル飲料の主力拠点は神奈川県の湘南工場、缶飲料の主力拠点は京都府の舞鶴工場だ。これら各工場とセンター間の物流運賃も最新の情報を毎週入力して更新する。

 これらのデータを用いて最小のトータルコストを逐一割り出す。さらに毎週、10週間先までの需給計画を修正していく。ただし、工場側の原料と資材の調達や生産準備を考慮して、今週と翌週の需給計画は変更しない。システムによる需給業務の自動化で、既に業務時間を従来よりも約20%削減できる見込みにもなっている。

 新システムが弾き出した結果を、需給担当者が手動で変更もできる。ただし、そうすると画面には、変更によってどれだけコストが上昇したかが表示される。そのため、コストの上限値を超える変更を加えたい場合は、上司の承認が必要になるといったルールを新たに設けた。

「センターに近い工場で生産」の社内常識を否定

 新システムを導入する前のキリンビバレッジは需給業務を主に担当者の勘と経験に任せてきた。そのため、業務の属人化が進んだ。中でも生産拠点は経験的に「センターからの距離が一番近い工場」を選ぶことが多かった。というのも、トータルコストに占める物流費の割合が概して大きく、トラックの走行距離が短ければ、それだけコストが安くなると考えていたからだ。

 実際には必ずしもそうとは限らないことが新システムで明らかになってきた。場合によっては、複数拠点で分散して生産して近場のセンターに運ぶよりも、1カ所の工場でまとめて作って全国のセンターに運んだり、ある工場が隣りのエリアの分まで引き受けて生産して各センターに運んだりしたほうが、トータルコストが安くなった。1本当たりの生産コストは自社グループ工場と委託工場とでは当然異なるし、物流の運賃は毎月変動するからだ。運ぶ距離が長くなると、センターに納品されるまでのリードタイムは最大で2日ほど長くなることもあるが、1週間単位の需給計画では問題にはならないという。

 引き続き成果を上げるべく、同社の主力商品である「生茶」や「午後の紅茶」を含む全300品目の生産拠点の選定や、拠点ごとの生産数量の割り振り、工場から同社の配送センターまでの物流の最適化を進めているところだ。

 新商品については、計画と実績の差分の情報を営業部門にも開示。特に、販売中止となるカット商品の終了時には在庫を残さないように、営業活動の調整にも役立ててもらう。

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