明治製菓が小売企業の携帯サイト上で健康食品「アミノコラーゲン」の販促に力を入れている。まず2008年8月にはドラッグストアのウエルシア関東(さいたま市)の携帯サイト「ウエルシアのe情報」上で顧客会員から料理レシピを募り予想以上の応募を集めた。引き続き同年11月25日には、同サイト上で募集したレシピに関するクイズを実施した。楽しみながら商品知識を身につけてもらう工夫で、継続的にアミノコラーゲンを購入してくれる顧客の増加を図り、徐々に手応えを得ている。

 明治製菓の健康事業首都圏支店首都圏第三営業所の上田竜大所長代理は、「顧客は健康食品に『医薬品と同じように無理して摂取するものもの』という印象を持っていることが多い」と語る。継続的に購入してもらうために、無理せずに楽しんで摂取するよう働きかける必要があると考えた。そこで、おいしい料理と一緒に摂取してもらうよう、携帯サイトを通じてレシピを募集することにした。公募に踏み切ったのには、社内の限られた人材で多数のレシピを開発するのには限界があるとの認識もあった。「一般の食品では企業が顧客にレシピを募集する取り組みは増えているが、健康食品では珍しい」(健康事業首都圏支店営業推進グループの大村麻実氏)という。

 同年8月のレシピ募集では、事前の予想の10倍に相当する300件以上の応募が得られた。上田所長代理は「レシピ応募時に、料理に名前を付けてもらう設問を入れておくことで『私のレシピ』という思い入れを抱いてもらえたことが予想以上の応募につながったようだ」と分析する。このようにして集まったレシピ情報を基に、同年11月には、応募が一番多かった料理などを尋ねるクイズを同サイト上で実施。答えを探す過程で、商品の特徴を紹介する文面に誘導して読んでもらうよう仕向けた。顧客に商品の知識を身につけてもらうための工夫である。

 今回、自社サイトではなく、小売企業であるウエルシア関東のサイトを活用したのは、キャンペーンの販促効果を測定するため。「店頭の売り上げを同時に観察することで、今回のキャンペーンがどのくらい販促に結びついたのかを把握しやすい」(上田所長代理)。実際に、レシピ募集を告知する携帯メールの配信後1週間で、ウエルシア関東の店舗ではアミノコラーゲンの販売量が通常の約2倍を記録した。明治製菓は今後もレシピを広く紹介するなどして、携帯サイトを継続的に販促に生かしていく方針だ。