日本の家具業界を見渡すと、ニトリやイケアのように、主に中国で安く作った商品を国内で低価格販売する企業がもてはやされている。当社のように高級品に絞り、しかも国内生産にこだわる家具メーカーはまさに対極の存在といえる。いずれにしても、家具業界は今後ますます価格の二極化が進んでいくだろう。
そんななか、当社は多くの家具の輸入先である中国などアジア地域に、逆に日本から高級ベッドを輸出している。これは業界を問わず、今では極めて珍しいケースだ。日本製の商品を中国に輸出できることに当社は誇りを持っている。
中国にいる富裕層の顧客は、日本円で40万円以上する当社のベッドを購入してくれている。国産ベッドが高品質であることを海外の顧客が証明してくれているわけだ。当社は5年後に現在30%の海外販売比率を40%弱まで高めるつもりだが、その時は需要が急拡大している中国では現在の5倍の販売を見込んでいる。
現時点でも国内外から引き合いが殺到しており、座間事業所での生産は需要に追いつかない状況だ。これでは顧客の期待に応え続けられないし、当社も成長できない。引き続きTPMには力を注いでいくが、2009年5月には静岡県で新工場が本格稼働する。生産能力を倍増して、来期以降に臨む予定だ。