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カイハラ
ジーンズの“顔”を年800提案、色や風合いをITで管理、再現

島津 忠承=日経情報ストラテジー 2008/11/20 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2008年9月号pp.64-67
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

広島県福山市のカイハラはジーンズの生地、デニム製造で国内シェア50%を誇る。営業担当者が東京に常駐し、最新の流行を観察。年間800種類ものサンプルを開発するなど、商品提案力に定評がある。紡績から整理加工までを一貫体制で手がけ、色合いや風合いなどを管理。微妙な色落ち感などを忠実に再現する能力は、取引先から信頼を集める。

 広島県東部の備後地方は伝統的に起業家精神が旺盛な地域だ。福山通運、青山商事、ダイカスト製造大手のリョービなどがこの地で誕生し、現在も本社を置いている。これらの備後企業の先駆けが、ジーンズの“顔”とも言えるデニム製造で国内最大手のカイハラだ。1893年に備後絣のメーカーとして誕生した同社は、1970年に藍染めの技術を応用してデニムの染色工程に参入。その後、紡績や織布といった前後の工程にも着手し、デニムの製造全般に携わるようになった。

 取引先にはファーストリテイリングやエドウイン(東京・荒川)、米リーバイ・ストラウスといった大手ジーンズメーカーが名を連ねる。国内シェアは約50%。海外からの引き合いも多く、売り上げの30%を海外で稼ぎ出す。売上高経常利益率は毎年10%前後を維持しており、業績も安定している。

●カイハラの会社概要と業績推移
●カイハラの会社概要と業績推移

東京の流行を観察、メーカーに新商品を提案

 ひと昔前なら男性向けという印象が強かったジーンズだが、今や顧客の65%は女性。流行に敏感な女性のニーズに応えるには、スタイルや色、手触りなどの風合いを毎年変えながら提案することが求められる。流行がめまぐるしく変わるなか、安定的に収益を上げ続けるのは決して容易ではない。しかも、近年のカイハラは新工場の設立による設備投資がかさんでいる。それでも高い利益率を維持しているところに、同社の強さが表れている。

 高収益の要因は大きく2つある。ジーンズメーカーへの商品提案力と、一貫体制を取る製造工程でのIT(情報技術)を活用した生産管理力だ。

 カイハラの商品提案力は単に品質の高いデニムをジーンズメーカーに供給するにとどまらない。「次のシーズンにヒットしそうなデザインをメーカーに提案し、共同で開発している」(貝原潤司代表取締役社長)のが強み。提案のために作成する生地サンプルの数は年間800にも達する。

 提案力を磨くために、製造現場の経験を踏まえた営業担当者が5人ほど東京に常駐する。原宿や表参道といったファッション感度の高い地域を頻繁に訪れては、流行の兆しを観察して回る。担当者の駐在期間は4~5年に及ぶ。「ある程度の期間、観察し続けることで、ジーンズ市場の最前線の変化を感じ取れるようになる」(貝原社長)からだ。

 営業担当者はジーンズメーカーにも頻繁に足を運び、新商品の開発に役立ちそうな情報を交換している。「ジーンズ作りはデニムメーカーとの共同作業が多く、情報交換が欠かせない。カイハラは週に3~4回も訪ねてくれる」(エドウイン商事の小林道和専務取締役)と取引先の信頼も厚い。

 国内の繊維産業の多くは中国やインドの安価な量産品の攻勢によって、撤退や工場の海外移転を余儀なくされた。カイハラが国内生産を貫いて生き延びてきたのは、第一に商品提案力が有力ジーンズメーカーの支持を集めたからだといえる。

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