女性ファッションブランド「Theory(セオリー)」で知られるリンク・セオリー・ホールディングスは毎年12月、佐々木力代表取締役社長ら経営幹部が全国5つの地区を回り社内パーティーを開く。今年12月はちょうどリンク・セオリーの会社設立10周年目と重なる。例年と異なり、各会場でのパーティーの前に、佐々木社長が会社の歴史や今後の展開について30分程度のプレゼンテーションを実施する予定だ。

 昨年までは関西地域の店舗で働く販売員は大阪に招待していたが、今年は京都会場を加えて、全国6会場に増やす。当然、すべてを回る経営幹部の負担は大きくなるが、「会社やブランドへの愛着は販売員にとって武器」と佐々木社長が語るように、同社ではこのパーティーを会社に対する帰属意識や一体感を高めるイベントとして重視している。毎年600人程度が参加し、経費は数百万円に上るという。

 リンク・セオリーが社内で大がかりなパーティーを開いてきたのは、全国の店舗で働く社員をもてなすためだ。経営幹部は仮装をして歌や踊りを披露する。販売員らも店舗ごとで出し物を用意しておく。地方の販売員は普段、東京本社にいる幹部と顔を合わさない。百貨店の社員や競合ブランドの販売員と接する機会のほうが多い。年に一度のイベントとはいえ、パーティーを通じて現場の販売員はリンク・セオリーの一員であるという自覚を強める。2005年までは東京でのみ開催し、参加するのは関東で働く従業員と全国の店長だけだったが、2006年からは経営幹部が全国を回る形に切り替えた。できるだけ多くの販売員に参加してもらうことを狙っている。