アパレルウェブの千金楽健司代表取締役社長

 アパレルウェブ(東京・中央区)は2009年4月までに、運営する中小アパレルメーカー・小売店向け電子商取引サイト「アパレルネット」に自動翻訳ツールを本格導入する。日本語で配信している衣料品の仕様・サイズ・価格などの情報を、英語、中国語、韓国語などに自動翻訳して海外の小売店など向けに表示する。現状は、都市部のメーカーと地方のバイヤーなど、国内のマッチング機能を提供しているが、さらに国内メーカーに海外販売の機会を提供する狙いだ。

 既に一部のページを韓国語などに翻訳して配信しており、韓国ロッテグループのバイヤーと日本の衣料品メーカーとの間で商談が成立するといった事例が出ている。今後は原則として全ページを多言語表示していく。

 アパレルネットには現在、国内の衣料品メーカー約500社が登録し、製品を画面上で展示している。これを見た小売店のバイヤーは、メーカーに問い合わせたり商品を発注したりできる。

 千金楽(ちぎら)健司代表取締役社長は、「アジアを中心に日本のファッションはブームになっているが、日本のアパレル業界は輸出強化をしてこなかった」と話す。日本の衣料品の輸出と輸入の比率はおよそ1対50で、欧米先進国が1対2程度なのと比べても、極端な輸入超過になっている。一方で、海外では日本のファッション誌「Ray」の中国版が約100万部を発行して女性ファッション誌としてトップの売り上げになるなど、日本のファッションに対する関心が高まっている。「欧州の敷居の高いファッションとは異なり、読者モデルが起点になるなど親しみやすいファッションが日本の強み」(千金楽社長)という。

 アパレルウェブは、国内では信販会社と提携して、中小小売店に対する与信支援サービスを提供している。海外小売店向けにも商社などと提携し、国内メーカーが安心して海外販売できる支援サービスを提供する計画だ。