堀場製作所グループが再構築した英語版サイト。9月30日に同社が取り扱う製品を横断的に紹介できるようにページ構成を改めた
堀場製作所グループが再構築した英語版サイト
9月30日に同社が取り扱う製品を横断的に紹介できるようにページ構成を改めた
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 堀場製作所は世界各国のウェブサイトの再構築プロジェクトに取り組んでいる。世界5カ国に散らばる担当者同士が直接顔を合わせたり、グループウエアを駆使したりして議論を重ねて共通仕様を策定。2008年6月に新しい英語版の企業紹介ページを作成したのに続き、9月末にはグループ企業の製品を横断的に紹介する新しい英語版ページを稼働させた。

 既に従来のサイトよりも10%程度ページビューが増えたほか、滞在時間も延びているという。顧客の閲覧頻度や閲覧時間が高まることで、製品の販促効果に期待している。

 同社は従来、世界各地のグループ会社ごとにウェブサイトの担当者を抱え、各社が個別にサイトを運用・管理していた。堀場製作所本社はデザインに対してガイドラインを用意していたものの、担当者の技能レベルなどの違いもあり、地域やグループ会社ごとにばらつきが出てしまっていたという。

 このような体制で運用していたサイトは、販促手段としてみても使い勝手に課題があった。例えば、顧客があるグループ会社のサイトを閲覧してニーズを満たす製品を探す場合が挙げられる。当該製品を別のグループ会社が製造していたとしても、その商品を紹介するページにすぐにはたどり着けない状態だった。

 再構築プロジェクトのリーダーとなった海外本部リージョナルプロモーション部の木村祐子氏は以前、営業を担当していた。販促手段としてサイトを積極的に活用していたことから、このような課題を認識していたという。木村氏は試験的なページを作成したり、メールやグループウエアの機能を活用したり、あるいは直接話し合ったりして各国の担当者に疑問や質問を投げかけ、意見を引き出しながらサイトの構築を進めていった。

 当初は各社の利益代表的な意見が目立っていたものの、次第に一体感が生まれて前向きな意見が出てくるようになったという。こうして各社のニーズを汲んだ共通仕様を策定でき、サイトのリニューアル作業が軌道に乗っていった。

サイト管理は技術専門部隊が一括して担当

 サイトの再構築に当たり、データベースの更新作業やセキュリティー対策などといったコンテンツに直接関係しない技術的な作業は、グループ内の技術専門部隊が一括して担当する体制に改めた。

 これによって、グループ各社ごとに用意していた延べ50人のウェブサイト担当者は、10人で済むようになった。人件費などのコストを削減できた分は、販促面でのさらなるサイト強化に振り向ける方針である。

 今後の課題の1つは日本を含むアジア圏の各国語への対応。これまでと同様に各国の担当者から意見を引き出しながら構築を進め、2010年6月に完了させる計画である。

■変更履歴
「コンテンツに直接関係しない技術的な作業は、一括してIT(情報技術)ベンダーのシェアードサービスを利用する体制に改めた」という表現がありましたが、正しくは「コンテンツに直接関係しない技術的な作業は、グループ内の技術専門部隊が一括して担当する体制に改めた」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/11/06 15:40]