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事例データベース

オギノ
購入動機やライフスタイルを分析、「商品DNA」で売り上げ4割増

清嶋 直樹=日経情報ストラテジー 2008/10/23 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2008年8月号pp.164-167
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

食品・衣料スーパーのオギノ(甲府市)は、全国チェーンへの対抗策として独自のCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント:顧客情報管理)に力を入れてきた。購入動機の分類を通じて顧客を分析し、売り場作りや販促に生かす「商品DNA」の取り組みが効果を上げている。

 「貴方様だけのお得な情報」

 山梨県を中心に36店舗を展開する食品・衣料スーパーのオギノ(甲府市)で買い物をすると、レシートの上部にこんな言葉とクーポン券が印刷されていることがある(写真参照)。「アミノ酸配合の水飲料を買うと10ポイントプレゼント」とあり、表示された商品をポイントカード会員が購入するとポイントが付く。

●オギノのCRMの運用手順。20種類の「クラスター」で売り場直結の分析を実践
[画像のクリックで拡大表示]

 レシートクーポンを導入するスーパーはほかにもあるが、全員に同じクーポンを出したり、その場の購入商品に関連するクーポンを出すものがほとんど。オギノは最新の情報システムを駆使し、「貴方様」が興味を示しそうなクーポンを即時に発行する。利用率は約30~40%にも上る。

 オギノは2008年2月期、売上高755億円、経常利益9億5000万円と、8期連続増収増益を達成した優良企業だ。ここ数年は新規出店を抑制。店舗数は横ばいだが、既存店売上高の伸びで増収を維持している。人口約88万人(2007年10月時点)の山梨県内に集中出店しており、食品・衣料などオギノの取り扱い分野における売り上げの県内シェアは25%に達する。

CRM先進企業も従来手法に行き詰まり

 とはいえ、もともと商圏人口が少ないうえに急速な高齢化が進み、既存顧客の深掘りが課題になっている。オギノは1996年からポイントカードを駆使して顧客情報に基づいた販促をするCRMに取り組み、流通業界ではよく知られた存在だ。カード会員は県内人口の半数近い約42万人で、会員への売り上げ比率は 95%以上を占める。月にたった1個しか売れない1000円以上する高級インスタントコーヒーのような“死に筋”商品でも、買い上げ金額が大きい顧客が購入しているなら棚に残すなど、データを生かした特徴ある品ぞろえの工夫も続けてきた。

 それでも、オギノは従来のCRMに行き詰まりを感じていた。会員約42万人、1日の購入履歴約100万件という膨大なデータはそのままでは扱いづらい。「教科書通りに、一人ひとりのお客様を見る手法は分析の手間がかかり過ぎる」(営業企画室の石原みどり総括マネジャー)

 そこで、オギノは2006年夏から、取引先である卸大手の菱食と共同でCRMの改革に取り組んだ。その際に、英小売大手テスコの事例を研究。石原マネジャーらは欧州まで視察に訪れた。テスコのCRMの神髄は「顧客が何を買っているかというデータから顧客のライフスタイルを推測すること」(同)。それを品ぞろえや商品企画、販促に生かす考え方をオギノ流にアレンジしようとした。

 そのためには準備が必要だった。まずカード会員の氏名・住所・生年月日・性別などを正確に把握するため、約5000万円をかけて会員カードを刷新。全 42万人分を発行し直した。2006年7月から4カ月かけ、テレビCMを流したり、約25人の従業員を店頭に投入し、従来のカードからの切り替えを促した。今回のプロジェクトを支援したザカティーコンサルティング(東京・港)の矢矧晴彦ディレクターは「正確な個人情報は分析段階では必須ではないが、ダイレクトメール(DM)送付など、分析結果に基づくアクションを起こすのに必要だ」と指摘する。オギノの従来のポイントカードでは時の経過につれてDMが「転居先不明」で戻って来ることが多かった。

 さらに約5億円を投資し、即時に単品売り上げを把握できる日本NCR(東京・中央)の「リアルタイムPOS(販売時点情報管理)システム」を導入。菱食グループのシー・エム・シー(東京・大田)が開発したツール「デシルドクター」を導入し、特定の商品を買った顧客までさかのぼって分析できる仕組みも整えた。

 こうした準備をしたうえで、膨大なデータを迅速に分析できるレベルまで“要約”するため、「商品DNA(特性)」という考え方を採り入れた。顧客像を直接分析するのではなく、購入する商品の傾向を通じて顧客のライフスタイルをあぶり出す。

 日本の小売業ではイオンなどが同様の手法を試行しているが、実用化している企業はほとんどない。会員の売り上げ比率が95%以上あるオギノだからこそ、分析の精度が高まる。

●オギノは2006年にCRMシステムや手法を大幅に刷新。品ぞろえ・販促に生かせる体制を整備した
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