プラスが福岡市に新設した九州センター
プラスが福岡市に新設した九州センター
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 オフィス家具・文具大手のプラス(東京・港区)の中で主に法人顧客対象のオフィス通販を手掛ける社内カンパニー、ジョインテックスカンパニーは2008年9月、九州に初の物流拠点「九州センター」を稼働させた。梱包の簡素化と配送コストの削減が狙い。

 新センターは福岡市を拠点とし、総床面積は2400坪、投資額は約1億円。順次配送エリアを拡大し、同年11月末までに九州7県と山口県をカバーする。ジョインテックスはオフィス用品のカタログ通販サービス「スマートオフィス」を展開しており、新センターでオフィス家具や文具約2万2000アイテムを取り扱う。

 梱包の簡素化のため、出荷に折りたたみコンテナ(オリコン)を全面採用した。梱包材や緩衝材を節約することで、環境問題や素材価格高騰に対策した。同社の従来の物流拠点に比べて1梱包当たり約20円のコスト削減になる。

九州センターで使う50リットル・30リットルの折りたたみコンテナ
九州センターで使う50リットル・30リットルの折りたたみコンテナ
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 配送コストの削減は、1梱包当たり従来の420円から247円まで約4割も大幅削減できる。従来、九州地区への配送は西日本センター(大阪市)がカバーしていたのに比べると配送距離が短縮されるためだ。九州センター開設によって翌日配送の締め切り時間も従来比で1~2時間遅い17時30分まで引き付けられるようになった。

 情報システムは西日本センターと共通で同社独自の「e-Muscle(イーマッスル)」を活用。事前に商品ごとにサイズ・重量・形状のデータを登録しておき、顧客の注文内容に応じて梱包のまとまりや順序を自動決定して作業担当者にピッキングを指示する。これに応じて作業担当者が商品をピッキングしハンディー端末で検品する。西日本センターに比べて物量が少ないため、ピッキングの自動化装置は導入せず投資額を抑えた。

 プラスは同グループ内にアスクルを抱えることで知られる。ジョインテックスはアスクルのノウハウをオフィス家具などに応用しようとして事業を広げてきた経緯があり、事業形態は似ている。ただ、アスクルは人的なサービスは手掛けないのに対して、ジョインテックスは専任営業担当者が付いて法人顧客の購買業務の効率化を支援するほか、学校・官公庁の顧客層が厚いのが特徴。チョークや黒板消しなどを含む学校向け消耗品販売市場で約50%のシェアを持つ。