千趣会が9月に開催したオリジナル靴ブランド「ベネビス」の新作発表・受注会の様子。トヨタの小型車「パッソ」と並んで、ドライビングシューズの試作品を展示し、その場で人気投票も実施
千趣会が9月に開催したオリジナル靴ブランド「ベネビス」の新作発表・受注会の様子。トヨタの小型車「パッソ」と並んで、ドライビングシューズの試作品を展示し、その場で人気投票も実施
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 カタログ通販大手の千趣会は9月、大阪(5~6日)と東京(18~20日)の2カ所で、同社のオリジナル靴ブランド「BENEBIS(ベネビス)」の2008年秋・冬シーズン新作発表・受注会を開催した。

 今回の大きな目玉は、トヨタ自動車の女性をターゲットにした小型車「PASSO(パッソ)」のデザイナーとの異業種コラボレーション。共同で開発している女性用ドライビングシューズの試作品を6品展示した。会場には東京と大阪の合計で3000人以上が詰めかけ、普段はカタログやインターネットでしか確認できない通販用の靴を手に取ったり、試し履きしたりしつつ、会場の中央に展示されたドライビングシューズにも近寄って関心を示していた。

 トヨタは2008年2月に、パッソの広告イメージである「プチトマト」を連想させる特別仕様車「プチトマコレクション」を発売している。2~8月で1500台を受注した実績がある。その内外装をデザインしたトヨタの女性デザイナーが、今回のドライビングシューズの色の監修にも当たっている。試作したドライビングシューズの中敷の色には、婦人靴ではあまり使われないという若草色が採用され、そこにトマト柄が織り込まれるなど、トヨタのデザイナーがパッソのデザインを意識しながら、ドライバーの足元を飾る靴まで含めて、色や見た目をトータルコーディネートした。

 2009年2月に発売を予定しているドライビングシューズの試作品が公開されたのは、今回が初めて。会場には赤いパッソ本体も持ち込まれ、パッソのボディカラーに合わせて用意された合計6色のドライビングシューズが並べられた。突起の付いた滑りにくいラバーの靴底はドライビングシューズならではの特徴だが、それを除けば、見た目の印象は街で見かける流行の婦人靴そのもの。ドライビングシューズとはいえ、運動靴のようなデザインをしているのではなく、あくまでもベネビスの売れ筋の婦人靴を連想させる女性の街歩きを主としたデザインに仕上がっている。

 会場では試作品の色の人気投票も実施され、東京では「シャンパンメタリックオパール」、大阪では「マルーンブラウンマイカ」と、東西で違った色に来場客の関心が集まったのも面白い。当日接客に当たっていたベネビスの開発担当者は「会場では想像以上に大きな反響があり、5000足を販売できる手応えを得た」と話す。

 5000足といえば、この10月でちょうど20周年を迎えた婦人靴の老舗ブランドであるベネビスの商品ラインアップの中でも、大ヒットといえる販売数量だという。働く女性をターゲットにして、これまでに累計1000万足以上を販売してきた人気のベネビスに、今回はトヨタのネームバリューも加わって、女性用のドライビングシューズという一見すると市場が小さそうな靴に注目が集まっている。販売価格は1足1万円前後を予定している。