nimoca顧客分析システム「交商相関分析」のサンプル画面。交通と商業施設での電子マネー利用の相関が分かる
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 福岡県が地盤の鉄道・バス会社、西日本鉄道が、国内初となる交通・ショッピング履歴にまたがる顧客分析に2008年5月から取り組んでいる。同年同月のICカード乗車券・電子マネー「nimoca(ニモカ)」導入と同時に、「nimoca顧客分析システム」を稼働させた。ニモカを使った鉄道やバスの利用履歴と、小売店における買い物履歴を組み合わせて「駅とバス停」「駅と加盟店」「加盟店同士」などの相関を分析できる。例えば「○○駅利用者は駅前のA店の利用率が高い」「さらにB店にも買い回りしている人が多い」などだ。

 同様の分析は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica(スイカ)」や首都圏の私鉄・バス約60社が参加する「PASMO(パスモ)」などほかの交通系ICカードでも技術的には可能だが、実施するには制約がありまだ実現していなかった。西鉄ICカード事業部の飯田浩之・課長は、「当初からCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)への応用を意識して、ニモカのサービス内容を検討した」と話す。後発でICカードシステムを導入したこともあり、交通系ICカードで購買履歴データを活用するためにどのような課題があるかの検討を重ねて実施体制を整えた。

駅窓口で個人情報を登録すると加入できる「スターnimoca(ニモカ)」のカード。星マークと氏名が印字されている