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日経情報ストラテジー

業種 全日本空輸
社内報作成に“読者ペルソナ”を活用、社員に焦点を当てた誌面作りを強化

2008/09/02
上木 貴博=日経情報ストラテジー
社内報「LINKS」とペルソナカードを手にする、ANA総合研究所の吉原重樹主席部員部長代理
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 全日本空輸(ANA)は社内報「LINKS」作成に架空の読者像としての“社員ペルソナ”を活用している。対象とすべき読者像を明確にして編集メンバーで共有することで、より読まれる誌面作りを狙っている。今年7月号以降、冒頭5ページ程度の特集部分を、社内外のニュース告知から活躍する社員の紹介に切り替えるなどの誌面リニューアルを実施した。

 ペルソナとは綿密な調査を基に取得した定量的・定性的な情報から、架空のある具体的な顧客像を描く。ペルソナを意識しながら商品やサービスを開発することで顧客満足度の向上を図るマーケティング手法だ。全日空はインタビュー調査を行ってペルソナを作り、読者像を再確認した。社内報作りでは珍しいアプローチだ。

 社員ペルソナの構築に際しては、社内コミュニケーションに関するコンサルティングを手がけるソフィア(東京・港区)に協力を依頼。社内報の編集を担当するANA総合研究所(東京・港区)の吉原重樹主席部員部長代理とソフィアの担当者らは27人の社員へのインタビューを通じて、会社のブランドビジョンに対する理解やそれに基づいた行動を基に類別した6人の社員ペルソナを作った。「1万人以上の従業員全員を意識しながら社内報を作るのは難しいが、この6人のためにと想定して作れば社員みんなに届く」と吉原氏は説明する。

 7月号の特集「新しい体験をしてますか?」では、マラソンや社内プロジェクトなど趣味や業務を通じて新しい分野に挑戦している社員を紹介した。8月の特集「次のじぶんへの第一歩」は若手社員4人の座談会をまとめたものだ。彼らが語る業務での体験談から「失敗を恐れずに果敢に挑戦せよ」というメッセージが浮かび上がってくる。吉原氏は「ANA本体だけでなくグループ会社の従業員に広く読んでもらい、“グループ報”的な存在にしていきたかった。そのため、特集ではグループ内で頑張る社員を取り上げることにした」と企画の意図を明かす。

 「自宅に持ち帰り家族に見せられる」「パソコンを利用しない業務の社員も見られる」といった利点が見直されて、社内コミュニケーションのツールとして社内報を見直す動きが大企業で見られる。ANA総研の吉原氏は「リニューアルの反響は非常に良い。これからも社員を主役にした社内報を編集できれば」と手応えをつかんでいる。

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