自動車用キーや住宅用キーなどを提供する鍵メーカーのアルファは2009年4月,国内拠点の基幹業務システムを刷新する。新システムにはSAPジャパンの「SAP ERP」を採用し,合わせて業務改革を実施する。2010年中にはすべての海外拠点に新システムを展開する計画だ。

 同社の現在のシステムは,会計,販売,購買・在庫,生産などを独立したシステムで管理しているため,それぞれのシステムからデータを抽出して利用するのに,担当者個人の経験やノウハウに依存するなどの課題がある。新システムでは,財務・管理会計,販売,在庫・購買,生産の情報を統合管理できるシステムとし,担当者の作業時間短縮やコスト削減を図る。同時に,各種指標の予実分析,在庫管理の適正化,納品リードタイムの短縮,会計の精度向上や決算の早期化,内部統制やコンプライアンスの強化で,総合的な経営力を高める。

 海外拠点に展開以降は,米国,メキシコ,中国,タイの4拠点を含めた全拠点間で,原価,価格,利益の計画と管理の仕組みを最適化し,収益力強化を目指す。海外拠点の言語や通貨,法規制にも対応する。

 アルファは,新システムの導入に合わせて業務管理方法そのものも見直す計画だ。新システムへの移行に向け同社内では,「日次生産計画」「原価整備」「予算策定」「マスター・データの整備」「内部統制」の五つの業務改革チームを発足した。