大和証券が入居する東京駅前の「グラントウキョウ」。2008年初の移転に伴い、オフィス環境を一新
大和証券が入居する東京駅前の「グラントウキョウ」。2008年初の移転に伴い、オフィス環境を一新
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 大和証券グループ本社は社内で情報共有に使うためのグループウエアの刷新を進めている。2008年初めに持株会社であるグループ本社や、事業子会社の大和証券(一般向け証券業務)、大和証券SMBC(法人向け投資銀行業務)の本社機能を東京駅前の新築オフィスビルに移転・集約したのと同時に、3社で本格的な利用を始めた。今回採用したのはサイボウズの大規模組織向けグループウエア「ガルーン2」で、約5000人が利用している。

 スケジュール管理や施設予約、通達などの社内情報共有に幅広く使っている。大和証券で新システム導入によって大きく変わったのが、会議の運営方法である。オフィス移転時に「紙の消費量半減」という目標を掲げたが、特に会議時に紙の資料を配布しないルールを徹底している。

 会議の出席者は、一時的に貸し出されるシンクライアント(データをサーバー側でまとめて保管し、自身でデータを保管しない方式のパソコン)を会議室に持ち込むか、会議室据え付けのパソコンを利用して、グループウエアの「電子会議」画面で、ワープロソフトなどで作成された資料を共有・参照しながら会議に参加する。予算関連など20種類ある定例会議は原則として電子会議で運営されるようになった。

 「会議前のコピー取り作業が一切無くなった。議論の流れに沿って、その場で資料を書き直せるのも効率が良い」と山田芳也システム企画部基盤整備課長は指摘する。個人的なメモを取る時は、自分のパソコンに打ち込んだり、手帳に書き込んだりする。部内の打ち合わせ机でも同様の機能を利用できるため、ちょっとした打ち合わせもペーパーレスで実施するスタイルが定着しつつある。

 2008年までの新システムへの投資額は1億円以内。「ロータスノーツなどほかのグループウエアの採用も検討したが、費用対効果や運用しやすさなどの点でガルーンの採用を判断した」(山田課長)という。2010年ごろまでに全国に100カ所以上ある大和証券の営業店で約7000人が利用するグループウエアも刷新する計画。大規模グループウエアでもガルーンが使えるかどうか、技術的な検討を進めている。

■変更履歴
現時点では、電子会議はグループ全体ではなく、事業子会社である大和証券独自の取り組みでした。また、会議実施時のパソコンの扱いに関する記述に誤りがありました。本文は修正済みです。 [2008/08/22 19:45]