ベストアメニティスタジアム(鳥栖スタジアム)に列を作るサガン鳥栖のサポーターたち
ベストアメニティスタジアム(鳥栖スタジアム)に列を作るサガン鳥栖のサポーターたち。JR鳥栖駅(後方)には2009年春からICカード乗車券「SUGOCA(スゴカ)」が導入される
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 サッカーJリーグ(J2)の「サガン鳥栖」を運営するサガンドリームス(佐賀県鳥栖市)は2009年から、交通系ICカードを使った電子マネー決済・ポイントサービスを始める。既存の交通系ICカードをそのままポイントカードとして使えるシー・アール総研(CR総研、東京・港区)のシステムを採用。2008年7月にサガンとCR総研が業務提携した。

 具体的なサービス内容は現在検討中だが、観戦チケットやグッズ購入時の電子マネー決済や、限定グッズと交換できる独自のポイントを付与してリピーターの来場を促進するといった施策を検討している。サガン鳥栖の業務・総括本部の森貴信氏は「地元密着はJクラブの使命。鳥栖駅前の商店街や、(近隣の福岡県)久留米市の商店街などにも共通の決済端末やポイントの導入を呼びかけて、地元一体で取り組みを進めたい」と話す。

 新サービスは既存の交通系ICカードがそのまま使えるため、サガン鳥栖は新たにカードを発行する分のコストを削減できる。ホームスタジアムである「ベストアメニティスタジアム(鳥栖スタジアム)」はJR鳥栖駅前にあり、JR九州の福岡県・佐賀県周辺では2009年春にIC乗車カード「SUGOCA(スゴカ)」が導入される予定。既に2008年5月に、近隣に路線を持つ西日本鉄道が「nimoca(ニモカ)」を導入しており、今後交通系ICカードの普及が見込まれる。

 CR総研は商店街でのポイントカード導入に強みを持つ。東京都内の五反田商店街、青物横丁商店街など7つの商店街に交通系ICカード「Suica(スイカ)」「PASMO(パスモ)」がそのまま使える地域ポイントサービスや電子マネー決済端末を提供している(関連記事)。

 現在、CR総研の決済・ポイント端末はSuicaとPASMOに対応している。nimocaなどを含むすべての交通系ICカードの基本仕様は日本鉄道サイバネティクス協議会の規格に準拠しており、端末もほぼ同じものを使える可能性が高い。CR総研は商店街だけではなく、各地域の核になるスポーツチームに独自ポイント導入を働きかけており、サガン鳥栖以外に数チームで導入の計画が進んでいるという。

■変更履歴
CR総研の決済・ポイント端末の対応状況について訂正しました。 [2008/07/23 18:15]