イーフローラの田淵勲代表取締役社長
イーフローラの田淵勲代表取締役社長

 約1300の加盟店舗を持つフラワーギフト専門のネットモールを運営するイーフローラ(東京都港区)が業績を伸ばしている。同社は日比谷花壇(同)の100%子会社で、加盟する花き小売店から販売代行手数料や広告宣伝費の収入を得るビジネスモデルで2000年設立。当初は伸び悩んだが生花の購入客と花き小売店の双方にブロードバンド回線が普及して追い風が吹き始めた。2004年度に単年度黒字化を果たしてから、4期連続の増収増益を達成しているという。2008年度も50%以上の増収を達成する見通しを立てている。

 強気の理由は3月に開始したメッセージカードの無料添付サービス「じぶん de カード」。既に顧客の8割が同サービスを利用しており、満足度向上に手応えを得ているという。メッセージカードをフラワーギフトと一緒に送るサービス自体は珍しくないが、「顧客がカードのデザインを選択でき、しかも文面に絵文字を加えられるサービスは当社が初めて」(田淵勲代表取締役社長)。カードのデザインは7月7日時点で20種類、同じく絵文字は77種類から選べる。

小売店のカード作成作業を無くしクレームも解消

 じぶん de カードの特長は、実はもう1つある。従来のメッセージカードは、顧客が指定したメッセージの文面を、花き小売店が手作業で書き写して作成するのが普通。小売店に手間をかけさせるだけでなく、間違ったメッセージ内容のカードを送ってしまうこともあり、クレームの原因にもなりやすかった。

 イーフローラは花き小売店にブロードバンド回線が普及していることに着眼し、顧客がパソコンでデザインとメッセージを指定すると、すぐにイーフローラ側でPDFファイルを作成し、花き小売店に送信する仕組みを今回採用した。小売店はPDFファイルを印刷するだけでカードを作成できるので、負担感やクレームが解消され、「本来の業務に集中しやすくなったと加盟店からご好評いただいている」(田淵社長)。

 2008年秋には、顧客が保有する写真データもメッセージカードに印刷して送付できるよう、サービスを改良する予定だ。