明治安田生命は2008年4月から、営業職員の評価制度改革に本腰を入れている。狙いの1つは定着率の向上だ。

 同社の営業職員は平均47歳で、ほとんどが女性。生命保険業界では長年、「ターンオーバー」と呼ばれる女性営業職員の大量採用・大量離脱に悩まされてきた。新規契約の獲得件数が賃金に反映される比重が大きく、ノルマが負担となっていることが主な原因だ。同社も例外ではなく、「100人採用したら1年で半分くらい退社する」(営業企画部)という状況だった。

 新しい評価制度では営業成績による変動幅を小さくする一方、基本給を増やした。また、既存顧客への訪問活動の実践具合や、新設した社内資格の有無を評価に加味することによって定着率の向上を目指す。評価制度の方針を徹底させるため、今年3月と5月には全国の営業拠点の支社長や所長を集めた評価者研修を実施した。

 制度改革の背景には、2005年に発覚した保険金未払い問題を契機に、全社で既存顧客の満足度向上に取り組んでいることも挙げられる。営業企画部営業企画グループの住吉敏幸グループマネジャーは「優秀な成績者は皆、既存顧客へのアフターサービスを大切にしているもの。評価制度を変え、アフターサービスに対する意識を高めることで、営業の質の向上にもつなげたい」と語る。

 営業職員に既存の契約者へ年間2~4回訪問することを徹底させるなど、新規契約の獲得からアフターサービス重視へと軸足を切り替えて顧客満足度の向上を図っていく。

■変更履歴
本文中「保険料未払い問題」とありましたが,「保険金未払い問題」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/7/2 19:00]