三菱UFJメリルリンチPB証券(東京・中央区)は2008年5月、顧客情報などの分析に利用するBI(ビジネス・インテリジェンス)システムを本格的に稼働させた。同証券はメリルリンチ日本証券と三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ証券が出資して2006年5月に開業した証券会社で、富裕層向けの資産運用に強みを持つ。システムはコグノス(東京・中央区)製の「IBM Cognos 8 Business Intelligence」を採用。日立東日本ソリューションズ(仙台市)が導入をサポートした。

 BIシステムを利用するのは財務部門と営業部門。すでに本社と営業拠点のそれぞれで、システム利用のためのトレーニングを対象社員に実施した。これまでより営業データの分析や経営陣へのリポート作成の時間が大幅に短縮されるという。営業部門では、各顧客への提案に用いる資料を分析した情報に基づいて自動的に作成できるようにした。

 三菱UFJメリルリンチPB証券は2007年6月からBIシステム刷新の検討を開始、9月から開発を進めていた。同証券は2007年5月にインターネット経由でアプリケーションソフトが提供されるSaaS(サービスとしてのソフトウエア)形態でCRM(顧客情報管理)サービス「Salesforce」を導入している。今後はここに蓄積した情報をBIシステムで分析していく考えだ。