千葉興業銀行は,各支店で稼働していた76台の営業店サーバーを,データセンターに新たに設置した5台の新サーバーに集約した。新サーバーには,OKIのブレードサーバー「if Server BL460c」を採用。システムの拡張・構成変更のしやすさ,プロセッサやメモリーといったサーバー・リソースの有効活用を狙い,仮想化ソフト「VMware Infrastructure 3 Enterprise」を導入し,仮想化技術を用いて集約した。

 集約の対象にした営業店サーバーは主に,営業店端末用のアプリケーションや設定ファイルを管理・配信する機能と,プリンタ・サーバーの二つの機能を備えていた。これらの機能であれば,万一障害が発生しても銀行業務への影響が少ないことや,求められるサーバー・スペックがそれほど高くないといった理由から,仮想化ソフトを使って集約することにした。

 5台の新サーバーは,VMware Infrastructure 3 Enterpriseのクラスタ機能である「VMware HA (High Availability) 」を使って,HAクラスタ構成で構築。1台が停止しても残り4台で運用できるようにしたほか,障害が発生したサーバーも復旧時間を短縮するため自動的に再起動できるようにした。

 また「VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)」と呼ぶリソース管理機能を使い,仮想マシンにCPUやメモリーのリソース割り当てを動的に行うようにした。これにより,サーバーに障害が発生してフェールオーバーが動作しても,1台のサーバーに仮想マシンが集中配置されて負荷が偏ることがないようにした。

 「フェールオーバーが正常に動作するか」「仮想マシンが再配置先で立ち上がるか」など,VMware HAとVMware DRSの検証を十分に実施した後,2008年2月に,営業店サーバー76台の移行と端末の切り替えを実施。3月中に移行を完了させた。新システムの導入や移行作業はOKIが担当した。