建設機械大手のコマツは修理・メンテナンス用部品の在庫管理のために新しいシステムを構築する。需要予測の精度を高めて、適正な在庫計画の策定につなげるのが狙い。米サービジスティクスが提供する補修部品管理に特化したパッケージソフトを今年度中に国内の拠点に導入、その後は順次海外拠点にも拡大していく。従来は世界中の拠点ごとで部品を管理していたが、各国の拠点と販売代理店がそれぞれ持つ部品在庫を統合して管理することで全体最適化を図る。

 子会社のコマツアメリカでは2007年前半、先行的に導入しており、顧客への納品スピード向上や在庫・運送費の削減といった面で成果を上げている。こうしたことから、今回のグローバルでのシステム構築を決めた。構築はコマツのシステム子会社、クオリカ(東京・江東区)とサービジスティクスが担当する。

 連結売上高2兆2430億円(2008年3月期)のコマツでも、部品事業の売り上げはおよそ2500億円にとどまる。2007年4月に策定した中期経営計画「Global Teamwork for 15」では、重点活動項目の1つとして「バリューチェーン全体での事業拡大」を掲げている。新車の販売だけではなく、点検や修理といったアフターサービスや中古車販売、レンタルの売り上げを増やしていこうというものだ。

 システムが順調に稼動すれば、納品スピードが上がって販売機会の損失が減り、販売面でも効果が期待される。2009年3月期はまだ一部拠点でのシステム導入にとどまるが、部品事業で前期比20%増の3000億円の売上高を見込んでいる。

■変更履歴
本文中,社名が「サービジスティックス」となっている個所がありましたが「サービジスティクス」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/05/07 14:10]