関東圏や新潟、長野の生活協同組合の連合体であるコープネット事業連合(さいたま市)は、2008年3月、資料請求をしてきた“見込み組合員”情報を一元的に管理するデータベースシステムを稼働させた。生協に加入を検討している資料請求者の情報を蓄積することで、まずは新聞やテレビ、雑誌といった広告媒体の組合員勧誘効果を測定する狙いである。ゆくゆくは、電話や訪問説明などアフターフォローの活動の効率化にも役立てるという。

 同連合は、東京や茨城、栃木など1都7県の生活協同組合で構成されている。1992年に5つの生協により設立されたが、長らく資料請求のための電話窓口は別々だった。2007年5月に組合員勧誘で横串の活動に着手、まずはテレビCMを放映し、共通のコールセンター及びフリーダイヤルを設けた。そして今回のシステムで、経路や生協ごとで異なっていた資料請求に関する情報を1つのデータベースに集約し管理できるようにした。

 電話やファックス、葉書で届く手書きの資料請求者の情報は、コールセンター業務をアウトソースしているベルシステム24のオペレーターにシステム入力してもらう。見込み組合員のデータベースはシナジーマーケティング(大阪市)のASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)を利用している。

 同連合のコープデリ宅配事業戦略推進室事業イノベーション推進担当主任を務める桜井貴之氏は「今回の仕組みで様々な媒体に出すどんな広告が、どのような属性の消費者からの資料請求に結びついているのかが分かるようになった」と話す。例えば、同じ若い主婦層でも地域によっては目にしやすい媒体が異なることがある。

 2008年夏以降、データベースに情報がある程度蓄積された時点で、広告を出す媒体や、効果的なタイミングなどの決定に活用する考えだ。

■変更履歴
本文中「生活共同組合」という表記が一部ありましたが「生活協同組合」です。また,シナジーマーケティングの所在地が「東京・千代田」となっていましたが,「大阪市」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/05/13 13:40]