英国系の電子部品通販会社、アールエスコンポーネンツ(横浜市)が4月、主力販売チャネルであるウェブサイトを刷新した。同社は、迅速な配送と豊富な品ぞろえを特長として研究開発や試作時に必要な半導体・電子部品を少量から通信販売するビジネスモデルで知られる。いわば電子部品業界で「ロングテール」な需要を狙う販売会社だ。

'4月に刷新したRSコンポーネンツのウェブサイト 4月に刷新したRSコンポーネンツのウェブサイト
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 今回のサイト刷新の狙いは主に3つ。(1)検索機能の使い勝手向上、(2)購入時の関連商品を提案できる機能を装備、(3) バスケット(買い物かご)に入れたものの購入に至らなかった顧客数の把握――だ。

 (1)の使い勝手向上に取り組んだ背景は、扱う商品点数の増加だ。半導体など顧客からの要望が多かった商品を中心に、1万4000点を新たに追加して13万点の取り扱い点数となった。これまでは、コネクタや抵抗といった商品数が多いものを検索すると、検索結果に膨大な商品を一覧表示してしまっていた。プロダクトマーケティングを担当する杉山正二取締役は「6000件を超える商品が検索結果に表示されて、自分がほしい一点を探し出すのが至難なケースもあった」と語る。

 そこで新たにより詳細な小分類を設けて、ほしい商品群にたどりつきやすいように工夫した。コネクタを例にすると、「オーディオ向け」や「通信向け」など用途別に絞り込んで一覧を表示できるようにした。さらにその後も、「定格電流」や「定格電圧」などの詳細な仕様で絞込んでから表示できるようにした。

 (2)の商品提案は、商品をバスケット(買い物かご)に入れて購入手続きをする際に、関連する商品を右上に表示できるようにした。例えば、ハンダごてを購入する顧客にはハンダの情報を表示したり、計測器を購入する顧客に関連する部品類の情報を提示したりできる。「ついで買いを促す狙い」(イーコマースマーケティングの鈴木浩司マネジャー)だ。

 (3)は、商品をバスケットに入れたのに、購入に至らなかった顧客数を記録できる機能を備えた。こうした顧客は、購入したい商品が見つかったものの、価格や納品期間などで他店に流れてしまったなどの可能性がある。こうした情報を改善に生かしていく考えだ。