エースコックの村上稔マーケティング部主任
エースコックの村上稔マーケティング部主任

 エースコックが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング サービス)大手、ミクシィを活用した公募型の商品開発企画の第2弾を4月21日に開始すると発表した。

 同社は第1弾は2007年6月に公募を開始し、同年12月に2種類の商品を発売した。同社が第2弾の実施を決めたのは、ごく最近のことで、4月初めだった模様。同社のコミュニティーの参加者が3000人規模に達して一定のファンをつかんだことや、第1弾の商品の販売が「まずまずの立ち上がり」と社内で評価されたことが、継続実施を後押ししたようだ。

 取り組みは、第1弾と同様。ミクシィ内にある同社公認のコミュニティー「カップメン開発オーディション」の参加者から商品のアイデアを募る。ある程度の数がまとまった時点で、同社がアイデアを絞り込み、人気投票を実施。投票数の多さはもちろん、掲示板でのコメントの盛り上がり具合なども考慮しながら、商品化する企画を決定する。その後は試作品を発案者に試食してもらいながら味を決め、2008年中に商品化する予定。

エースコックがミクシィに開設している公認コミュニティー「カップメン開発オーディション」の画面
エースコックがミクシィに開設している公認コミュニティー「カップメン開発オーディション」の画面
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 企画を担当する村上稔マーケティング部主任は、SNSを舞台とする商品開発に大きな可能性を感じているという。「前回は700以上の商品アイデアをいただくなど、コミュニティーの参加者と良好な関係を築けた。この流れを引き継ぎつつ、発売20周年を迎えるスーパーカップに新しい味を作り出すための知恵を借りたい」と語る。カップ麺は業界全体で年間800種類もの新商品が登場するものの、定番商品として生き残れるものはごくわずか。新たな定番商品を作り出せるかもしれないとの期待がかかる。「場を盛り上げるための新企画も考えています」(村上主任)という。

 今回公募するのは、20年の歴史を持つ基幹ブランド「スーパーカップ」と、「はるさめシリーズ」。苦労して軌道に乗せたSNSのコミュニティーの威力を社内外に知らしめ、定着させたいと願う村上主任にとって今回が正念場だ。