大阪証券取引所(大証)は3月31日,売買システムが稼働する電算センターで障害が発生した場合,売買処理を代替する「バックアップセンター」を兵庫県内に稼働させた。当面は日経平均先物などデリバティブ(金融派生商品)に関する取引データをバックアップし,順次,現物株式などに対象を広げる。

 同センターに設置されたバックアップ・システムは,もともとテスト用として利用していたマシンを待機用マシンに転用。本番機の3~4割程度の処理能力を持つという。運用時には夜間バッチ・プログラムを使い,毎日1日分の取引データを待機用マシンに転送する。障害時の切り替えは手動で実施。障害発生後,24時間以内の復旧を実現するシステムとして構築した。

 バックアップセンターを設置した兵庫県は電算センターがある大阪府から近いが,これは障害時に担当者がすぐに駆けつけられることを優先したため。ただし活断層の位置などを解析し,地震発生時に同時に被災しない場所を選んだという。

 大証はこのほか,デリバティブの売買高増加に対応するため,売買システムの能力を増強する計画も明らかにした。2008年6月末をメドに,売買注文にかかる時間を現在の100分の6秒から1割程度縮める。これにより,1秒間に処理できる注文件数が3割程度向上するという。