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事例データベース

三井不動産販売
料金回収機に双方向通信機能,情報を一元管理し経営力向上

中道 理=日経コミュニケーション 2008/04/09 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2008年3月15日号94ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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 空き地の所有者から土地を借り,コイン・パーキングに仕立てて,利用者に提供する──。こうした事業を展開しているのが,三井不動産販売の「リパーク事業本部」だ。

 同事業本部は駐車場に関する情報を一元的に収集・分析するシステム「Rism」(Repark information system for management)を構築。2007年12月に完全移行を完了した。

満空車情報を経営に使えない

 リパーク事業本部では,99年から「インテリジェントゲートシステム」と呼ぶシステムを運用してきた。これは駐車場からリアルタイムで,車の満車・空車情報(以下,満空車情報)を収集し,利用者に公開するシステムだ。利用者は携帯電話やパソコン,カーナビゲーション・システムを使って空車の駐車場を調べられる。

 このシステムは利用者サービスの面では成功を収めたものの,集めた情報を新サービスの開発や柔軟な経営に活用するまでには至らなかった。

写真1●三井不動産販売 リパーク事業本部リパーク業務部機器システムグループリーダーの横澤和夫氏(左)とNECソフト サービスソリューション事業部第一サービスSIプロジェクトマネージャーの松永一茂氏(右)
写真1●三井不動産販売 リパーク事業本部リパーク業務部機器システムグループリーダーの横澤和夫氏(左)とNECソフト サービスソリューション事業部第一サービスSIプロジェクトマネージャーの松永一茂氏(右)

 満空車情報を時系列で解析すれば,駐車場の稼働率が分かる。これは料金の改定や新しい駐車場の開設などの際に有効な判断材料になる。ところが「利用者向けのサービスとして作ったため,分析機能が欠けていた」(リパーク事業本部リパーク業務部機器システムグループの横澤和夫リーダー,写真1左)。

 もちろん,新システム移行前も,データを経営に生かす努力はしてきた。「データベースから期間や地域ごとの稼働率や売り上げを抽出し,週2~3回のペースでExcelデータとして共有フォルダにアップロードしていた」(横澤氏)。とはいえ,扱えるデータの範囲は限定されており,多元的な解析をして考察するのは難しかった。

経営判断に必要な情報が点在

 駐車場運営に必要な各種情報を部署や社員がバラバラに保持していることも問題だった。

 例えば,コイン・パーキングの名称や住所,位置,稼働/工事中といったステータスが入った駐車場の基本情報は,インテリジェントゲートシステムと多くの部分を共有できるにもかかわらず別に管理されていた(図1)。

図1●Rism構築の狙い
図1●Rism構築の狙い
社内に分散していた情報を一元的に扱うことで,経営の機動性を向上することを目的とした。
[画像のクリックで拡大表示]

 駐車場工事の際に必要な機材や工事の受発注,進行管理などを実施するためのデータも,担当者がExcelで個別に管理していた。さらに,コールセンターに寄せられた問い合わせを共有する手段として,手作りのデータベースがあるだけだった。

 「利用者に対するサービスの質を上げるために,データを一貫して扱えるようにしたいという思いはずっと社内にあった」(リパーク事業本部リパーク業務部長の垣見俊幸氏)という。

システムの容量オーバーが転機に

 転機が訪れたのは2006年ごろ。「順調に駐車場が増えてきたこともあり,インテリジェントゲートシステムの処理能力の限界が見えてきた」(横澤氏)。想定される処理能力の限界は3000カ所程度。2008年には限界を迎えることが確実視されていた。

 そこで同社は,「処理能力の増強と情報の質の向上の両方を目指したシステムを構築することにした」(垣見氏)。こうして出来上がったのがRismである。システム・インテグレータにはNECを選択した。

 Rismは,管理できる駐車場数を1万カ所に拡大。機能面では,(1)駐車場データの取得/管理,(2)駐車場データ分析,(3)管理業務支援,(4)コールセンター業務支援──の4種類のシステムを構築した。

料金回収機との通信を双方向化

 (1)では,従来インテリジェントゲートシステムで運用してきた満空車情報に加え,料金回収機の遠隔操作が可能になった。この遠隔操作は,料金回収機の通信用ボードの交換で実現した(写真2)。従来のインテリジェントゲートシステムで使われていたボードは,駐車場の稼働状況をセンターに送るためのもので,センターとの双方向通信機能をほとんど持たなかったからだ。

写真2●料金回収機の外観
写真2●料金回収機の外観
DoPaやADSL/FTTHを通じてセンターとつながる。今回,双方向通信をサポートしたことで,柔軟な料金設定やメンテナンスが可能になった。

 遠隔操作が可能になったことで,センターから料金回収機のデータを書き換えて料金改定ができるようになった。従来のシステムでは,料金改定時にメンテナンス要員が料金回収機に出向き直接設定を変更していた。リモートから設定できるようになることで,料金改定の自由度が格段に高まる。

 詳細な障害データの取得もできるようになった。例えば,領収書の用紙切れの際,これまでは料金回収機からエラーを受け取ることはできたが,メンテナンス要員が現場に行くまでどういう理由でエラーを出していたのか特定するのが困難だった。Rismであれば現場に駆けつけてすぐに用紙の交換を始められる。故障個所の特定ができるので,修理備品/機器を用意して現場に向かうことができるようになった。

 こうした細分化されたメンテナンス情報を蓄積していけば,「機械の耐用年数や用紙切れのタイミングなどを算出し,効率的なメンテナンスが行えるようになる」(垣見氏)。

 さらに,「今回追加した双方向通信機能によって,利用者が駐車場に停める前に,あらかじめ予約できるようにしたり,料金を後払いにするといった機能を追加できるようになった」(同)という。

 なお,料金回収機とセンターを結ぶアクセス回線は,インテリジェントゲートシステムから変更していない。無人の駐車場は,主にNTTドコモの携帯電話網を使ったパケットサービス「DoPa」でセンターに接続し,有人の大型駐車場はADSLやFTTHなどでセンターとつないでいる。

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