写真1●Sun Ray端末を操作するITプロデュース部の皆木玄調査役
写真1●Sun Ray端末を操作するITプロデュース部の皆木玄調査役
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図●UFJISのITプロデュース部が利用しているLinuxデスクトップ環境
図●UFJISのITプロデュース部が利用しているLinuxデスクトップ環境
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写真2●Ubuntuの画面例
写真2●Ubuntuの画面例
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 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の情報システム子会社であるUFJISで,ITインフラを評価,検証しているITプロデュース部は,約160人の社員が利用するデスクトップ環境にRed Hat Linuxを採用している。金融系の情報システム子会社で,本格的にLinuxデスクトップを活用している例は珍しい。

 同社は2007年3月,シンクライアント端末「Sun Ray」(サン・マイクロシステムズ製)を導入した(写真1)。Sun Rayは,デスクトップ環境としてWindowsを選択することも可能だが,同社はあえてRed Hatを採用した。「Linuxのほうが、Windowsよりもウイルスに強い」(ITプロデュース部を率いる千貫素成部長)とセキュリティ面を考慮してのことだ。

 全社員が利用する社内ポータルは(オープンソース・ソフトのWebブラウザである)Firefoxで動作を確認済みのためOSを選ばない(図)。「アプリケーション開発ツールもLinux上で動作する製品が多い。デスクトップOSがLinuxでも普段の業務にほとんど支障はない」と千貫部長は言い切る。

 社外向けのオフィス資料の作成などの用途にWindows環境も一部残している。Sun Ray用のミドルウエア「Sun Ray Connector for Windows」を利用して,Red Hat上にWindowsデスクトップ環境を共存させている。

 千貫部長の次の興味は,人気が急上昇中のLinuxディストリビューション「Ubuntu」(写真2)に向いている。「Ubuntuは,デスクトップ画面の使い勝手がよい。現状,UbuntuはSun Rayの動作保証外のため採用を見送っているが,来るべき時期にすぐ採用できるよう,Ubuntuの動作検証に着手したい」と語る。

■変更履歴
本文でFireFoxとしていましたが,正式にはFirefoxです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/04/10 20:35]