富士通フロンテックは2008年3月5日,ATM(現金自動預け払い機)やPOSなどを製造する同社の新潟工場で,部品供給管理システムを新たに稼働させた。新システムの稼働を機に,部品の在庫を6割削減することを目指す。

 新システムの特徴は,UHF帯のRFIDタグ付きの“カンバン”を使って部品の入荷管理や検収を行うこと。カンバンは,社内の製造工程や部品供給会社との間でやり取りする部品伝票で,使い回しできるようなカードの形をしている。入荷管理や検収は,工場内に設置した専用ゲートに,カンバンつきの段ボール箱などを通過させて行う。

 新システムの専用ゲートでは,最大100個のRFIDを一括で読み取れるようにした。加えて,人の歩行スピードで,複数の荷物をゲートを通過させても読み取れる。

 従来の入荷,検収作業では,段ボール箱などに貼り付けられたバーコードを一個ずつ読み取る必要があった。数十社ある部品供給会社からは,1社当たり一度に60~70個の段ボール箱などを受け付けることも少なくない。そのため,バーコードの読み取り作業などの入荷や検収作業に時間がかかっていたことから,製造ラインで使う部品の在庫も多く確保する必要があった。

 新システム稼働当初は,部品供給会社4社と,RFIDつきのカンバンを使って部品供給を受ける。2008年内には,主要な部品供給会社30社に,適用範囲を広げる予定だ。