写真●ソニー生命保険 キャリア開発推進部担当の萩原正雄執行役員(左)と同部キャリア開発推進課の星野和彦統括課長(右)
写真●ソニー生命保険 キャリア開発推進部担当の萩原正雄執行役員(左)と同部キャリア開発推進課の星野和彦統括課長(右)
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 ソニー生命保険は営業担当者であるライフプランナーの採用に新制度を加えた。同社は創業以来、「営業経験のある平均35歳の男性」を中心に採ってきた。その理由を萩原正雄執行役員は「10年以上の社会人経験を持ち、分別もある。妻子がいることも多く、ある程度家族の問題などにも通じている」と説明する。顧客の将来設計に関わる仕事であるため、人生経験が問われるというのだ。こうした方針は維持しつつ、昨年10月、より若い層を対象とする「ジュニア ライフプランナー」という採用コースを取り入れた。

 即戦力として全国の支社で働くライフプランナーとは異なり、ジュニアライフプランナーには3年間の育成期間が用意されている。採用は1、4、7、10月の年4回。1年ごとに契約を更新する契約社員として、本社に新設されたキャリア開発推進部に配属される。ジュニアライフプランナーと彼らを教育するトレーナーのみで構成される同部署で働き、3年後に正社員として各地の支社に配属される。

 ジュニアライフプランナー制度はライフプランナー第一営業本部長を務めていた萩原執行役員の肝いりで作られた。萩原執行役員は創業時には、初代研修担当としてソニー生命の社員教育の基礎を作った経験も持つ。「ライフプランナーの平均年齢は43歳。新鮮な戦力を加えて組織自体を活性化させたい」と目論んでいる。

 キャリア開発推進部キャリア開発推進課の星野和彦統括課長は「キャリア開発推進部は実際の営業活動にも取り組むが、あくまでも教育機関という位置付け」と話す。23~27歳のジュニアライフプランナーはトレーナーを務めるベテラン社員とともに営業活動にあたる。

 東京第2開発支社第2ユニットのジュニアライフプランナー、井上陽統氏は昨年10月に入社した第一期生。今年に入ってからはトレーナーに同行してもらい、営業活動に取り組んでいる。「契約社員であることに不安は無い。1年ごとの契約更新にやりがいも感じる。中途入社だが、同期もいるので刺激になる」と話す。

 最近、企業は20代半ばのいわゆる“第二新卒”に注目し始めている。リクルートは営業職で、「キャリア・ビュー」という3年という期間と勤務地が決められた契約社員制度を運用している。また、タマノイ酢(堺市)は「キャリア制社員」という5年間の契約社員制度を導入している。前者は全国展開するフリーペーパーの営業人材を補強する目的、後者は資格取得や独立を夢見る若者に門戸を開いたものだ。3年後に正社員として登用されるジュニアライフプランナーとは異なるが、今後もこうした動きは広まっていくだろう。