関東地方などでドラッグストアを展開するウエルシア関東が、携帯サイト「ウエルシアのe情報」(http://ewm.jp)を使ったマーケティング活動に積極的に取り組んでいる。サイトの会員として登録した顧客に対して、商品告知のメールを配信。配信から約1週間のPOS(販売時点情報管理)データを見ると、2割程度の売り上げ増につながっているという。

ウエルシア関東本店(大宮市)
ウエルシア関東本店(大宮市)
[画像のクリックで拡大表示]
 
e welcia ヤマトの和田大作・取締役事業開発部長
e welcia ヤマトの和田大作・取締役事業開発部長

 サイトの運営は子会社のe welcia ヤマトが担当し、2006年2月に本格稼働させた。2008年2月現在、約3万1500人の顧客が会員登録している。このうち、5割強を30~40代の女性が占めている。そんな特徴を生かして、ウエルシア関東は携帯サイト上で、店舗で扱う商品などについてのアンケートをメーカーと共同で実施している。e welcia ヤマトの和田大作取締役事業開発部長は「家庭の財布のひもを握る主婦層から、率直な声を聞けるのが強み」と強調する。

 会員がアンケートに回答すると、依頼主であるメーカーなどがポイントや景品を提供する仕組みで運営している。メーカーがウエルシアに支払う料金は、アンケート1件につき10万円と、アンケートを告知するためのメール配信料金が1通当たり3円、回答した会員に提供するポイントなどの実費分である。

 2007年には13件のアンケートを実施した。例えば同年10月に実施したシャンプーなどに関するブランド調査では、3万746通のメールを配信して1万1253通の回答を得た。集めた回答は、メーカーが商品開発の参考にするほか、ウエルシア関東の店舗の販促活動にも活用している。化粧品の使用感のアンケートを例に取ると、顧客から集めた回答内容を記入したPOP(店頭販促)広告を店内に掲示した。

調査事業を独立させることも視野に

 アンケート依頼主からの収入はあるものの、携帯サイトの運営費の大半は現在、ウエルシア関東の販売促進費で賄っている状態。だが、「3万人の顧客の生の声が聞けるインフラとして、ドラッグストアと取引のあるメーカー以外にも売り込んでいきたい」とe welcia ヤマトの和田取締役事業開発部長は話す。2009年以降に単独での事業化を目指している。