三井不動産販売が展開する時間貸し駐車場「リパーク」
三井不動産販売が展開する時間貸し駐車場「リパーク」
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 三井不動産販売(東京・新宿区)は、時間貸し駐車場事業「リパーク」の基幹システムを刷新した。同社は1999年、第1世代となる基幹システムを導入し、管理する全国の駐車場の稼動状況をリアルタイムで把握できる環境を整えた。駐車場の数は現在、約3700カ所、11万5000台(2008年1月現在)にまで拡大している。第1世代は12万台規模の管理で設計していたため、システムを刷新する必要があった。刷新を機に40万台まで対応できるようにした。

 今回のシステム刷新では分析機能も強化した。リパーク事業本部の垣見俊幸リパーク業務部長が「小売業でいえばPOS(販売時点情報管理)のような機能が主だった」と話すように、第1世代の基幹システムは情報収集を中心に活用してきた。

 駐車場用地を仕入れる営業部門は、地主に対して支払う賃料を計算するために売り上げ予測を立てなければならない。これまでは担当者が基幹システムから必要な情報を取り出し、エクセルなどを使って分析していたため、多くの時間を要していた。

 そこで第2世代の新システムでは、基幹システム内にデータ分析できる機能を追加した。各駐車場におけるリアルタイムの稼働状況など、最新の情報を即座に加工できる体制を構築した。

 三井不動産販売は郊外や駅前といった立地条件などから、駐車場を約150のパターンに分類している。分析機能が加わったことで、それぞれのパターンで仮説・検証が容易にできる。例えば、空きが目立つ駐車場では、平日や夜間限定の定期券を発行して稼働率を高めるといった収益向上策を考えやすくなる。

 今後、こうした分析機能を活用して新サービスを検討していく。垣見業務部長は「駐車場を事前に予約できる機能や、繁閑によって駐車場の料金を柔軟に変えるといったサービスを考えていきたい」と話す。