日清製粉グループ本社の吉田美恵子執行役員R&D・品質保証本部品質保証部長(写真左)と和久宏也・R&D・品質保証本部品質保証部部長補佐
写真●日清製粉グループ本社の吉田美恵子執行役員R&D・品質保証本部品質保証部長(写真左)と和久宏也・R&D・品質保証本部品質保証部部長補佐

 日清製粉グループ本社は食品の安全対策を強化するため、傘下の各事業会社に対して食品の安全マネジメント・システムの国際規格である「ISO22000」の取得を推進している。

 製粉事業会社の日清製粉が2005年9月、国内メーカーとしては初めて認証を受けたのを皮切りに、2007年には食品事業の日清フーズと、パスタ製造のマ・マーマカロニが取得。今後さらに他の事業会社へと広げる計画である。

 認証を取得・維持するために、グループを挙げて特に力を入れているのは社員に対する教育だ。品質確保に必要な各工程の作業内容はもちろん、その作業がなぜ必要なのかを教え込む。「社員が理解できているかどうかを必ず確認してから、実際の作業に当たらせるようにしている」と日清製粉グループ本社の和久宏也R&D・品質保証本部品質保証部部長補佐は話す。

 さらに各工場の取り組み状況を相互にチェックしあう内部監査を実施。品質レベルの底上げも図った。一連の取り組みの結果、社員一人ひとりの食品安全に対する意識が向上した。半年に1回実施されるISO22000認証の維持審査にも、各社員は落ち着いて対応できているという。

 またISO22000では製造工程だけでなく、原料から出荷工程まで、フードチェーン全体での品質管理体制の整備が求められる。このため日清製粉グループは、本社が中心となって部門横断型の「食品安全チーム」を組織化した。

 同チームは本社の品質管理部門のほか、事業会社の各工場や、原料、包装材料の担当者らで構成する。毎月会議を開き、部門の枠を越えた情報共有を図っている。グループ本社の吉田美恵子執行役員R&D・品質保証本部品質保証部長は「グループ全体が一貫した方針に基づいて品質の確保を追求できるようになった」と手応えを感じている。