住友信託銀行は、同行のニューヨーク支店に仮想化技術を用いたシンクライアント・システムを導入した。セキュリティと事業継続基盤の強化が目的である。同システムを導入したNECによると、邦銀の海外支店において、仮想化技術を用いたシンクライアント・システムの導入は初めてという。

 同システムによって、自宅や出張時などの遠隔地から社内の情報システム(業務系・情報系・OA系など)にアクセスできるようになる。同時に、テロや鳥インフルエンザといった災害・事故発生によるオフィス封鎖時の業務継続手段としても位置づける。シンクライアント端末の導入台数は当初30台。これは、同支店の導入端末の10%程度に相当する。

 同システムでは、仮想化技術を採用している。サーバー上にユーザーごとの利用環境を仮想化して集約、CPUなどサーバー資源を自動的に割り振った。採用したのは、NECのシンクライアント・システム「Virtual PC Center」である。システムを構成するのは、モバイル・ノート・パソコン型シンクライアント端末「TCM160」、仮想パソコン・サーバー、統合管理サーバー、VPN(仮想内線網)サーバー、統合管理ソフトウエア「WebSAM SigmaSystemCenter」、米ヴィエムウエアの仮想化基盤ソフトウエア。