サマンサタバサジャパンリミテッドが2006年12月から運営している仮想商店街WWCITY(2007年12月現在)
サマンサタバサジャパンリミテッドが2006年12月から運営している仮想商店街WWCITY(2007年12月現在)
[画像のクリックで拡大表示]

 女性向けバッグを展開するサマンサタバサジャパンリミテッド(以下、サマンサ)は、2008年春に予定する仮想商店街「WWCITY&COMMUNICATIONS(WWCITY)」のリニューアル内容を明らかにした。

 同社が仮想商店街事業に参入したのは2006年12月。だが、ネット事業の経験が浅いサマンサは、2007年4月にスタイライフを株式公開買い付け(TOB)によって子会社化。ネット事業に強いスタイライフのノウハウを生かした大幅リニューアルを検討してきた。スタイライフは、2000年からネット販売に取り組み、20~30代の女性を対象顧客として年商21億3200万円(2007年3月期)の実績がある。

 サマンサはWWCITYの運営をすでにスタイライフに委託しており、続いて2008年春をメドにサイト内の回遊率やリピート率の向上を目指したサイトのリニューアルを予定している。

 主な変更は(1)仮想商店街の構成メニューの大幅変更、(2)在庫管理の仕組みの変更の2つ。(1)については、これまで「渋谷」「新宿」など地域別に構成していた仮想商店街のメニューを商品のカテゴリー別に変更する。2007年12月現在、WWCITYにはサマンサの販売コーナーのほか、新生銀行など服飾関連以外も含んだ約40ブランドが入居している。従来は新宿をテーマにしたコーナーには伊勢丹が出店するなど、これらのブランドを街別に分類し構成していた。

 だが「同じような商品が集まっているわけではなかったので、地域別に分けたカテゴリー内の回遊率が高いわけではなかった」とスタイライフの小若竜馬事業部長は打ち明ける。そこで、年齢や世代など想定顧客が近いブランドごとに再構成することにした。

 リニューアル時には出店ブランド数も大幅に増やす予定。スタイライフが独自に運営中のサイトに出店しているブランドにWWCITYへの出店も働きかける。ファッション関連を中心に従来の5倍である約200ブランドが入居した仮想商店街になる見通しという。「百貨店のようにし好が似たブランドが集まることで、リピート率を高めてサイト価値を向上させたい」(小若事業部長)と話す。

 (2)のシステム改良は、スタイライフと取引のあるブランドがWWCITYにも出店しやすいようにするためだ。スタイライフとWWCITYを共通システムにし、1回の商品登録で両サイト内に掲載できるようにする。在庫管理を共通にすることで、2カ所の在庫を管理する手間がかさんだり、在庫の偏りによる売り逃しが発生したりといった不便さを解消する。 

 2008年春のリニューアル後も継続的に出店数を増やし、インターネットビジネス事業を強化していきたい考えだ。