11月29日の報道発表で絶品チーズバーガーの特徴を説明するロッテリアの湯浅智之・商品本部管理本部執行役員
11月29日の報道発表で絶品チーズバーガーの特徴を説明するロッテリアの湯浅智之・商品本部管理本部執行役員
 

 ハンバーガーチェーン大手のロッテリアは、11月30日に発売した新商品「絶品チーズバーガー」の販促活動の一環としてブログを採り入れた。東京大学、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学などの学生の協力を得て、キャンペーン用のブログを12月14日まで展開している。

 ブログを起点とした口コミ効果のおかげで、絶品チーズバーガーの売れ行きは好スタートを切った。ロッテリアによると、当初想定した1カ月分の在庫を最初の3日間で売り切ってしまったという。このため、商品の販売を12月3日まででいったん休止。7日から1店舗当たり1日平均200個の限定販売で再開する。

 今回、ロッテリアはブログを活用する場として、「学生マーケティングコンテスト」を実施した。各大学の学生が特定の店舗と協力し、ブログで商品を紹介しながら店頭での販売実績や試食チケットの回収枚数などを競う。同社の主要顧客である学生の口コミ力を、物理的なロケーションに依存しないブログを活用して最大限に生かそうという考えだ。また、学生層に“本格的な”ハンバーガーを強くアピールすることで、社会人になってからもロッテリアを利用し続けてほしいという狙いもある。

 商品アピールが目的だが、ブログの内容は直接商品を宣伝したものでなくても構わない。各大学の学生は、写真や動画を交えながら多彩な内容を展開している。

来店客数10%増を狙う

報道発表の際には、ロッテリアの玉塚元一会長)、篠崎真吾社長のほか、現WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助選手、東日本ボクシング協会の大橋秀行会長、前WBC世界S.フライ級チャンピオンの川嶋勝重選手が応援団として駆けつけた>
報道発表の際には、ロッテリアの玉塚元一会長(写真右端)、篠崎真吾社長(写真左端)のほか、現WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助選手(写真左から2番目)、東日本ボクシング協会の大橋秀行会長(写真右から2番目)、前WBC世界S.フライ級チャンピオンの川嶋勝重選手(写真中央)が応援団として駆けつけた

 絶品チーズバーガーは、大手ハンバーガーチェーンで初めてナチュラルチーズを採用したり、粗びきで熱い牛肉のパテを使ったりするなど、“うまさ”を前面に出した商品。値段は単品で360円とファストフードのハンバーガーとしては高めに設定している。関東の48店舗で先行販売し、食材調達の体制が整う2008年4月から全国発売を予定する。

 同社は販売関連の目標として、(1)絶品チーズバーガーをきっかけとして、1店舗当たりの来店客数を10%増やす、(2)同商品が売上比率で全商品の10~15%を占めるようにする――という2つを掲げる。湯浅智之・商品本部管理本部執行役員は、「顧客が当店に訪れる動機になるくらいの看板商品に育てたい」と力を込める。

 課題となるのはいかに商品の認知度を高めるか。例えば店頭でのプロモーションを中心に据えた場合、店舗数がそのまま情報量の差となって表れる。ロッテリアは全国で約470店を展開しているが、最大手のマクドナルドの約3800店と比べると大幅に少ない。経営再建中ということもあり、コマーシャルを流す予算も十分ではない。店舗数の少なさを補う施策が欠かせないのである。

 その施策として期待するのが、口コミによる販促活動である。ブログを活用した学生マーケティングコンテストはその1つ。このほかにも、従業員・店舗スタッフの家族や友人を招待し、商品を試食してその味を広めてもらうイベント「フレンズ&ファミリーデー」を11月24~25日に開くなど、口コミの活用に力を注ぐ。