米国発のカジュアル衣料専門店エディー・バウアー・ジャパン(東京・世田谷区)は、2008年春までに人事管理システムを刷新する。アパレル業界で人材の確保・定着が課題になっている状況で、新システムを活用し、社員やアルバイトの人事管理能力を底上げする。

 アドミニストレーション部門人事総務部の菅原健部長は、「単に給与を上げるだけでは人材が定着しなくなってきている」と話す。新システムでは、給与明細書に個人へのメッセージを記載できる機能などを活用し、社員満足度向上を図る。

 従来の社員台帳では、社員の詳細な履歴などが分かりにくかった。新システムで管理できる詳細な人事データを生かして、店長など幹部人材の計画的な育成も促す。給与・人事データの分析情報を随時引き出せる機能を生かして、土日や夕方など店舗繁忙時には時給を加算したうえで適正人数を配置するなど、アルバイト配置の最適化も進める。

 クレオのパッケージソフト「クレオCBMS ZeeM人事給与」を採用した。「ほかのパッケージも検討したが、人事データと給与データを一体的に管理できる点が当社の要件に合っていると判断した」(菅原部長)。投資額は1000万円強だが、給与計算を外注するなどしていた従来に比べて、トータルコストを削減できると見ている。

3年間で売上高・店舗数倍増へ

 エディー・バウアーでは、米GMやユニクロなどを経て入社した有賀誠氏が昨年11月に社長に就任した。現在の日本国内店舗数は約60店、売上高は約150億円だが、今後3年間でこれらを倍増させる計画を打ち出している。

 人事管理とブランド力向上の両面で様々な社内改革を進めている。「これまでの規模(正社員約300人)ではシステム化しなくても経営陣から社員一人ひとりの様子が分かったが、次の段階に行くためには新たな仕組みが必要だった」(菅原部長)という。