Suicaを活用した「大丸有エコポイント」の告知ポスター
Suicaを活用した「大丸有エコポイント」の告知ポスター
(東京都千代田区の「大手町カフェ」)

 東日本旅客鉄道(JR東日本)と大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会(福澤武会長=三菱地所相談役)は、10月1日からSuica電子マネーを利用したエリア限定ポイントサービスの実証実験を始めた。来年以降の本格稼働を目指す。

 新サービスの名称は「大丸有エコポイント(だいまるゆう=東京都千代田区の地名である大手町、丸の内、有楽町の略)」。東京都心の大丸有エリアは日本有数のオフィス街で、約24万人の通勤者がいる。エリア内にJRの東京駅、有楽町駅があり、Suica利用者も多い。

 大丸有エリア内で、Suicaを使って環境問題のイベントに参加するなど、環境に関連した行動を起こした人に独自のポイントを付与する。第一弾として、「大手町カフェ」など4店舗で、エリア内の定例イベントである「朝EXPO in Marunouchi 2007 autumn」(10月22日~26日開催)の前売り券をSuicaで購入した人にポイントを提供。ためたポイントは、地方の特産品や、エリア内にあるラジオ局・ニッポン放送の番組出演権などに交換できる。

 JR東日本は、既に実施している「Suicaポイントクラブ」以外に、Suica加盟店が独自のポイントサービスを運営できる機能を用意しており、今回はこのシステムを活用する。

 Suicaは乗車券として使えるだけではなく、Suica電子マネー導入店舗では買い物にも使える。駅構内コンビニやカフェなど「駅ナカ」への導入は一段落しており、JR東日本は駅周辺の店舗(「街ナカ」)への導入に力を入れている。IT・Suica事業本部企画部の宮田久嗣課長は、「電子マネー事業者として、当社ならではのサービスは、駅を通過する人とその周辺を結び付けること。今後も地域やイベントとの連携など、様々なことを試していきたい」と話す。

 Suicaを利用した地域ポイント・決済サービスは、9月に五反田商店街(東京都品川区)、大森銀座商店街(同大田区)でも始まっている(システムはシー・アール総研とNECインフロンティアが提供)。電子マネーを核にした地域ポイントサービスが今後広がりそうだ。