ハーレーダビッドソンの正規販売店のひとつである「ハーレーダビッドソン昭和の森」の整備工場
ハーレーダビッドソンの正規販売店のひとつである「ハーレーダビッドソン昭和の森」の整備工場

 ハーレーダビッドソン ジャパン(HDJ、東京・港区)は、来年1月に全国に186拠点ある販売店の整備実績を集約・分析するシステム「サービスSFAサマリー」を稼働させる。車検入庫率やリコール実施率といった全店で共通の指標を基に、平均値と比較するなどして自社のサービスレベルを理解してもらう。HDJの販売店は、128の中小販売会社が運営している。経営状態を分析する仕組みをHDJが構築することで、販売会社の整備部門の品質と収益の向上を目指す。

 新システムは、各販売店が車両修理や定期点検などを何台実施したのかを把握するものである。いわば、販売店の整備部門の成績表をつけるようなものだ。具体的には、各販売店が整備やリコール対策を実施した場合に、ウェブブラウザーを通してHDJに報告する。全国の販売店の情報を集約して、リコール対策実施率や車検入庫率などを算出する。HDJでは新車を購入した顧客に対して、3年間定期的に点検を実施するプログラム(有償)を展開し、100%の実施率を目指している。販売店へ前年同期比や全国平均など比較できる数字も提供することで、販売店に改善の気付きを促す。

奥井俊史社長
奥井俊史社長

 全国から集約した情報を基に、HDJで整備部門の改善を支援する「地区担当室」のメンバーと販売会社が共同で改善案を議論する。例えば、リコールや車検整備の実施率が全国平均を下回っていたとする。点検入庫を促すには、顧客に電話連絡するなどのコミュニケーションが鍵となる。改善項目に対する対策を明確にして実行していくことで、CS(顧客満足度)向上を目指すとともに販売会社の収益改善を狙う。「改善担当者は、販売店と議論する際に説得できるだけの材料がないと取り組みが進まない」と奥井俊史社長は話す。

 HDJは二輪車市場全体が縮小するなか、年々販売台数を伸ばしている。2000年から大型二輪車でシェア首位を維持し続けている。好調な新車販売により、整備対象車は増え続けている。販売会社の整備部門を強化することが必要だと判断し、新システム稼働となった。


■変更履歴
奥井俊史社長の名前に誤りがあったため、修正しました。また、第2段落の最後から2番目の文章において、「(前略)3年間定期的に点検を実施する特典をつけ(後略)」とあった部分を「(前略)3年間定期的に点検を実施するプログラム(有償)を展開し(後略)」と修正しました。 [2007/10/02 15:00]