「おにぎりの桃太郎」の久保田本店(三重県四日市市)
「おにぎりの桃太郎」の久保田本店(三重県四日市市)

 おにぎりや弁当の販売店を展開する、おにぎりの桃太郎(三重県四日市市)が、工場を併設する本部と19の店舗に販売管理システムを導入した。同社は主に四日市市内に店舗を構え、おにぎりだけで1日に5000個を販売している。採用したシステムは、NECインフロンティア(東京・千代田区)の「FoodFrontia」。今年6月下旬から2週間かけて導入した。投資額は約3000万円。

 新システムは、各店舗に導入する店舗システムおよびウェブカメラ、工場併設の本部に導入する本部向けシステムで構成する。店舗と本部間をIP-VPN網で結び、POS(販売時点情報管理)データや画像などの情報をリアルタイムで送受信する。

 同社では毎日深夜から明け方に作った商品を四日市市内の店舗に配送する体制をとっている。従来は在庫確認にファクスを利用していたため、各店舗の状況をリアルタイムで把握できなかった。ある店では在庫があるのに、ほかの店舗では欠品という状況も頻発していた。今回のシステム構築によって、欠品を起こしそうな店舗へ商品を追加したり、店舗間移動で在庫を調整するといった施策が実施できる。これによって、販売機会ロスや商品廃棄の削減を狙う。

 ウェブカメラを通して店頭での売れ行き状況を目視で確認することも可能。防犯の目的も兼ね備える。今後はタイムカードからPOS端末を利用した出退勤管理に切り替えるなど、今回構築したネットワークを最大限に活用していく予定だ。