富山県射水市の教育委員会は、市立小学校・中学校の教職員向けパソコン・システムを新たに構築し、9月1日から運用を開始した。教職員がパソコンで使用できるアプリケーションの設定や、作業したデータの保存をサーバーで一元管理する。パソコンの紛失や盗難、PtoP(ピア・ツー・ピア)型ソフトウエアの使用などによる情報漏洩を防ぐのが狙いだ。

 システムの構築には、ユーグリッドが開発した、サーバーとクライアントで構築するシステム「SecureClient」を採用した。サーバーでは、ユーザー管理ソフトを使い利用するユーザー情報などを管理する。クライアント・パソコンで利用できるアプリケーションの設定やUSBポートなど周辺機器の許可設定などが可能だ。

 一方、クライアント・パソコンには専用のクライアント・ソフトをインストールする。パソコンを起動し、ユーザーIDとパスワードを入力すると専用サーバーに接続。文書作成などのアプリケーションは、クライアント・パソコンにインストールしたものを使用する。クライアント・パソコンで作業したデータはすべてサーバー上に保存。クライアント・パソコンにはデータを一切保存しないため、パソコンを紛失しても重要な情報が漏洩する心配がない。

 射水市は、教育センターにサーバーを設置する。各学校のクライアント・パソコンを使用するユーザー情報を一括で管理する。市内の小中学校23校を対象に、約295台のクライアント・パソコンを導入。システム構築費用は約8000万円という。

 射水市の小中学校では従来、教職員の多くが個人所有のパソコンを使用し業務を処理していた。作業の中には、生徒の個人情報や成績情報といったデータが含まれることから、いかに情報漏洩を防ぐかが大きな課題となっていた。