スタッフサービス・ホールディングスの「SSNS」の画面
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 スタッフサービス・ホールディングスは今年4月、新卒内定者を対象にしたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトを開設した。名称は「SSNS(スタッフサービス内定者サイト)」。対象となるのは来春卒業を予定している内定者の学生だ。内定者同士で交流を深めることで複数企業から内定を得ている学生の引き留めにつなげる。サイトの構築はライトアップ(東京・渋谷区)が担当した。

 同サイトは内定者と人事担当者のみが参加できる会員制サイトだ。スタッフサービス側からは「グループ企業紹介」「先輩社員紹介」といったコミュニティで情報を発信している。学生自身もコミュニティを立ち上げられる。入社後に一人暮らしを始める際の住みやすい町や最寄り駅の情報を交換する「通勤圏内」コミュニティなどが早速作られている。

 SSNSには内定者の7割に当たる150人程度が登録済みだが、全員が入社に至る訳ではない。人事本部人材開発部の西山徹マネジャーは「大手金融機関などへの流出があるかもしれない。SSNSが内定者同士の交流を生んで、入社前から会社に対する愛着や帰属意識を持ってもらえれば」と引き留めへの意欲を語る。入社前から同サイトを通じて先輩社員と交流を持つことで、入社後のミスマッチを減らす狙いもある。

 リクルートワークス研究所によると、来春2008年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とする全国の民間企業の求人総数は対前年度比13%増の93.3万人で調査開始以来最高水準。求人倍率は16年ぶりに2倍を超えた。優秀な学生を多く確保したい企業の採用担当者にとっては厳しい状況となっている。