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JTB
約5億円のIT投資で、3000人規模の法人営業改革を断行

川又 英紀=日経情報ストラテジー 2007/06/21 日経情報ストラテジー

 JTBは2007年4月から、全国にある同社の200以上の拠点にいる法人顧客向けの渉外営業担当者、合計約3000人を対象に、大規模な営業改革を開始している。5億円弱をかけて、新しい法人営業支援システム「JTBビジネスプロセスマネージャー」を構築し、4月から順次、全国の拠点に新システムの導入を進めているところだ。

 各拠点にいる営業担当者に、法人営業の抜本的な改革を促すため、啓もう活動のためのオリジナルビデオまで用意して、現場に営業改革とシステム活用に対する理解を求めている。既に関東や北海道など複数の拠点で新システムの利用が始まっており、この6月までには全体の約3分の1に当たる1000人弱の営業担当者が日常業務に使い始めた。

 ソフトブレーンの営業支援ソフト「eセールスマネージャー」を使って開発した新システムには、毎日の「セールスレポート(日報)」や法人顧客ごとの「案件情報(出発日や方面、人数などのツアー情報)」を入力していくことになる。営業担当者の日々のスケジュール管理も実施できる。

全拠点統一の法人営業支援システムを用意

 これまで各拠点では、日報やツアー情報の管理体制がマチマチで、別々のシステムで管理しているところもあれば、一部を紙で保管しているところもあった。どちらにしても、営業担当者は日報とツアー情報の入力で、ほとんど同じ内容を2回、システムや紙に書き込まなければならなかった。つまり、二度手間が発生している。

 そこでJTBは今回、全拠点で共通となる法人営業支援システムを用意し、法人営業のプロセス管理体制を全拠点で統一することにした。新システムでは日報の入力内容を全面的に見直し、営業担当者は日報の決まった項目を埋めていけば、それが自動的にツアー情報の登録・修正にもつながるように設計を変更している。2008年3月までには、全拠点でこの体制が動き出す予定だ。

 日報は、ウェブブラウザが使えるパソコンから入力できるほか、外回りの移動中などに携帯電話からも書き込めるようになった。営業担当者の事務作業を少しでも効率的にこなせるようにし、営業活動そのものにより多くの時間を割けるようにするのが狙いだ。これまではシステムに入力するにしても、営業担当者は各拠点に戻ってから、限られた台数の端末を使って書き込むしかなかった。

 新システムに書き込む日報の各項目は、ほとんどがプルダウン形式で選択していけるものばかりで、特記事項を除けば、フリーで書き込まなければならない欄は少ない。そのため、日報の入力は数分で完了するという。今までの日報はフリーの書き込みが主体で時間がかかるうえ、営業担当者によって書き込む内容が異なるため、抜けや漏れが散見されていた。

 携帯電話まで使って、営業現場からリアルタイムに近いタイミングで日報が上がってくるようになれば、各拠点にいる上司は部下の営業の進ちょく状況をタイムリーに把握していける。営業担当者に的確な指示を出すことで、最終的には成約率の向上による収益向上を狙う。まずは各拠点ごとに異なる重点管理項目に新システムを使っていく方針で、例えば、新規顧客の開拓件数を上司が素早く把握したり、その拠点にとって最も重要な得意先との商談の進展状況を確認するなどに利用していく。

 JTBが法人営業改革を急ぐ背景には、ここ数年で法人顧客の市場環境が劇的に変化してきたことがある。今や、宴会や観光中心の社員旅行の取り扱いは急速に減っており、法人営業は過去の成功体験が通用しなくなってきた。これからの法人営業は、「法人顧客の社員にとってのモチベーション向上や研修、人脈の拡大といった明確な目的意識を持った案件の提案に様変わりしていく」(村山隆芳・旅行事業本部営業企画チーム営業企画担当マネージャー)。

 法人顧客が求める新しい案件に適した提案を出していくには、これまでのような営業担当者の個人能力だけでは不十分であり、拠点全体の組織力を生かした「集合知」による提案が必要になる。だからこそ、「法人営業体制を抜本的に見直さなければならなかった」(村山マネージャー)。

会計システムの刷新が法人営業改革の引き金

 JTBがこのタイミングで法人営業改革に乗り出した理由は、市場環境の変化だけではない。社内の基幹システムの刷新が、大きな引き金にもなっている。

 2008年3月までに、新しい会計システム「POPS(ポップス)-3」が全拠点向けに全面稼働する予定であり、この会計システムの刷新が法人営業改革を後押しした。2005年11月に、初代から数えて3代目となる会計システム「POPS-3」の稼働時期が2007年度と決まると、このタイミングで同時に営業プロセス管理のあり方も見直すべきではないかという議論が社内で沸き起こった。

 というのも、これまでJTBは、1992年に開発した初代の会計システム「POPS」や2001年に稼働した2代目の現行システム「POPS-2」を発展・改良させながら、ツアーの売り上げを計上する会計システムの一部として、営業プロセスを管理する「顧客管理システム」も構築してきた経緯がある。顧客管理と会計のシステムが一体化していたのだ。

 しかし、何も会計システムの一部として法人営業のプロセスを管理する必要はなく、その部分だけは別のシステムに切り出すこともできる。それが今回の「JTBビジネスプロセスマネージャー」に結実した。営業活動の結果として、成約した案件については新しい会計システム「POPS-3」で処理する新体制に切り替えることにした。

 これまでは、基幹系の会計システムの一部に営業プロセス管理機能まで含まれていたため、市場の変化に合わせた柔軟なシステム変更が難しいという問題点が見受けられていた。

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