NTT東日本-栃木のBCP支援システムの画面
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 NTT東日本-栃木(宇都宮市)が災害時における社内の円滑なコミュニケーションを確保するためのシステムを導入した。

 同社の災害対策室が事業継続計画(BCP)の一環として担当。開発にはNECが参加した。投資額はおよそ800万円だった。NTT東日本-栃木は、NTTサービス栃木、NTTエムイー栃木、NTTビジネスアソシエ栃木が昨年7月に統合して誕生した。

 同社のBCP支援システムの特色は、複数のコミュニケーション手段を組み合わせて1つの画面で確認できる点だ。システムは、読み取り機能が付いたコクヨ製のホワイトボードと、IPネットワークを利用したウェブ会議システム、ヘルメットにも取り付けが可能な小型カメラと接続して映像を流せるNEC製の「UNIVERGE WNXサーバ」を組み合わせたものだ。複数の地点を結び、ホワイトボードやチャットに書かれた文字、動画・音声を通じて連絡を取り合える。

 設備企画部門災害対策室の山田則雄主査は、「電話だけではつながらなかったり、かけなおす必要も出てくる。災害時には様々な通信手段を組み合わせながら情報を共有したい」と話す。システムはNTT東日本の社内ネットワークにもつながっているため、本社や近隣のグループ会社も災害現場の様子をリアルタイムで把握することができる。「災害時には本社の災害対策室とも連携を図る必要が出てくるので便利だ」と説明する。

 NTT東日本-栃木では11月に災害対策室が中心になり防災訓練に取り組んだ。BCP支援システムのお披露目の場となったが、「各支店との連絡もスムーズに行えた。訓練参加者の評価は上々だった」(山田主査)という。NECは今後、NTT東日本-栃木向けに開発したシステムを販売していくという。