カブドットコム証券 は,大規模災害を想定したディザスタ・リカバリ(DR)サイトを福岡県内に構築する。本社機能を完全に代替できる規模のDRサイトである点が特徴。まず2006年9月をめどに勘定系データベース・システムを構築。さらに今後3年かけて,顧客管理系および注文管理系システムを含むすべてのシステムのDR対策を完了する予定である。

 同DRサイトは,九州電力グループであるキューデンインフォコムが福岡県内に保持するデータセンター内に構築する。同センターには免震構造が施されており,2005年3月に発生した福岡西方沖地震(マグニチュード7.0相当)でも被害を免れた実績を持つ。東京から空路で1時間半で到着する利便性なども考慮して構築場所を選定した。

 DRサイトの構築により,「データをさかのぼって復元できる時間(RPO)が5分以内」「災害発生からシステム復旧までの時間(RTO)が30分以内」を目標に据えた。東京および福岡のセンターに設置したストレージ装置をベースに,1Gビット/秒のWAN回線を介してデータを複製する。投資規模は,既存システムの増強を含め約50億円。

訂正:公開当初の記事では,勘定系データベース・システムの構築完了が2006年4月末,顧客管理系および注文管理系システムを含む全てのシステムのDR対策完了が9月末でしたが,正しくは「2006年9月をめどに勘定系データベース・システムを構築」「さらに今後3年かけて,顧客管理系および注文管理系システムを含む全てのシステムのDR対策を完了する予定」です。