世界を代表する巨大製造業のGE(ゼネラル・エレクトリック)が変わる。独自のIoT戦略「インダストリアル・インターネット」を日本でも本格展開し、ビッグデータ分析を軸に、ハコ売りから顧客の生産性向上に貢献する会社へ。日本法人の熊谷社長はソリューションプロバイダーへの転身を宣言する。

(聞き手は吉田 琢也=日経コンピュータ 編集長)

GEグループ全体の業績は堅調です。日本GEのビジネス状況はいかがですか。

熊谷 昭彦(くまがい あきひこ)氏
1979年、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経済学部卒業。同年、三井物産に入社。84年、GE入社。日本ジーイープラスチックス社長、GE東芝シリコーン社長兼CEOを経て、2006年にGEコンシューマー・ファイナンスの社長兼CEOに就任、GEコーポレート・オフィサー(本社役員)に任命される。07年、GEヘルスケア・ジャパンの社長兼CEO。2013年より現職。(写真:村田 和聡)

 電力事業をはじめ、受注が非常に好調です。2014年第1四半期(1~3月期)は特にヘルスケア事業の売り上げが伸びました。第2四半期は消費増税による落ち込みを予想していますが、それでも上期全体では昨年を上回る手ごたえがあります。アベノミクス効果を肌で実感しています。

 地域別で最も伸びているのは新興国市場ですが、米国や欧州、日本といった成熟市場では日本が一番伸びそうです。ジェフ・イメルト(米本社の会長兼CEO)をはじめ経営幹部の日本市場に対する期待も高まってきました。当社がパートナーシップを結んでいるホンダやコマツなど、日本には優れた技術力を備えた強い企業がありますから、そういう企業ともっと密にやっていくべきだと考えています。