ポリコムジャパンは2014年5月13日に、Polycom RealPresence Oneビデオコラボレーション プラットフォーム ソフトウェア」(以下、RealPresence One)の提供を開始すると発表した(関連記事)。これはテレビ会議プラットフォームの利用ライセンスを年間契約でユーザーに提供するという、同社初のサブスクリプションモデル。これまでテレビ会議システムをアプライアンスベースで提供していた同社にとって、RealPresence Oneはどのような意味があるのか。同社代表執行役社長のフェゼック・ローン氏に聞いた。

(聞き手は、久保田 浩=日経NETWORK


「RealPresence One」とはどういうものか。

ポリコムジャパン 代表執行役社長のフェゼック・ローン氏
ポリコムジャパン 代表執行役社長のフェゼック・ローン氏

 弊社のテレビ会議に必要なプラットフォームを、サブスクリプションモデルで提供するものだ。RealPresence Oneでは、テレビ会議に必要な全てのモジュールをワンパッケージで提供する。必要に応じてユーザーのライセンス数を増やしていけるのが特徴だ。

 これまで弊社のテレビ会議システムを導入する際は、MCU(多地点接続装置)やリソースマネージャー、あるいは端末用の会議ソフトウエアなど、必要な機能を個別に選択しなければならなかった。それが、(1)ユーザーライセンス数、(2)多地点接続の数とテレビ会議のタイプ、(3)サービスレベル(サポートのレベル)――の三つを選択すれば使い始められる。ユーザー企業のオンプレミス環境や仮想環境にRealPresence Oneを導入して使う。

どのようなユーザーを想定しているのか。

 中規模のネットワークを持つ企業や組織などを想定している。企業の成長に合わせてユーザーライセンス数を増やしていけるため、導入時のコストなどのハードルを下げられると考えている。中規模の企業でも、仮想サーバーを持っているところは多くなってきている。そうした仮想環境にRealPresence Oneを導入して使うことができる。

 これまでのテレビ会議システムとの混在もできる。例えば既にMCUを導入している企業が、外出先からのモバイルによるテレビ会議接続の機能を検討しているのであれば、その機能だけをRealPresence Oneで導入できる。これまでのアプライアンスへの投資を生かしつつ、新たに機能を拡張できる。

導入の際、ユーザー企業側で必要なものは何か。

 必要なインフラはVMwareの仮想環境が稼働しているサーバーだ。仮想環境は、発売時点ではVMwareのみが対応する。

仮想環境で使えるのはよいが、そうした環境を用意するのは、日本の中規模企業ではまだハードルが高いのではないか。

 そういった企業もあると思う。しかし、企業がまとまって互助会的に使うことも考えられる。その企業が属する業界の組合などで使うケースだ。例えば、運送業界の協会がサービスとして入れていくという使い方があるのではないか。Video as a Service(VaaS)形式で導入するなど、ハードルを下げることはできると考えている。