米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、様々な産業機器の情報をインターネットに融合させた概念である「インダストリアル・インターネット(Industrial Internet)」を2012年末に提唱した。この概念を工場に導入し、様々な人が必要な時に必要な情報にアクセスすることで、工場の生産効率などを大幅に向上できるという。具体的には、どのような仕組みが必要となってくるのか。GEインテリジェント・プラットフォームズ、グローバル・プロダクト・マーケティングマネージャーのバーナード・クビゾー氏に聞いた。

(聞き手は木村知史)

工場の情報共有にインターネットを活用しようというコンセプトは、あまりに膨大なような気がします。

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バーナード・クビゾー(Bernard・Cubizolles)
GEインテリジェント・プラットフォームズ、グローバル・プロダクト・マーケティングマネージャー
GEインテリジェント・プラットフォームズにおいて、自動化ソフトウエア事業のグローバルな事業開発を統括している。20年以上、同業界に従事しており、以前はテキサスインスツルメンツ、シーメンスにて装置(プロセス)産業においてエキスパートとして従事していた。

クビゾー:確かにそうですね。ただ、自分たちの工場をより効率化しようというのが、その目指すところです。すなわち、従業員がより効果的に仕事ができるようにインターネットを活用するわけです。

 工場を稼働させるには、ハードウエアも重要ですが、同時にソフトウエアが必要なことは明白です。GEにはいろいろな部門がありますが、私たちの部門ではソフトウエアを専門に開発し、そして顧客に提供しています。

 工場で必要となる重要なソフトの1つがSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)です。SCADAにより、工場全体の様々な設備・機器のデータを集約して、一元管理することができます。そして、このSCADAのような工場の管理システムは、ここ25年間で大きく変わっていません。理由は簡単で、工場を管理しようとしたときに、基本的に必要となる機能が変わっていないからなのです。

 工場に求められる機能が変わっていないその一方で、日々の生活は大きく変わっています。その大きな1つがインターネットです。インターネットがいろいろな場面で生活に浸透しています。そして、多くのものがインターネットにつながり、そして情報を交換できるようになっています。