「Pebble」は腕時計型のスマートデバイスで、クラウドファンディング(インターネットを通じた資金調達)を成功させたことでも話題を集めている。大阪で行われた「Hack Osaka 2014」に招かれて来日した、同社創業者であるEric Migicovsky氏(写真1)に、ほかのウエアラブル端末との違いや今後の開発方針などを聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=日経BP イノベーションICT研究所

1月に開催された「2014 International CES」では、たくさんのウエアラブル(装着型)デバイスがありました。違いは何か教えて下さい。

 ほかの製品とは違います。私に言わせると、他社製品はフィットネス・トラッカーです。それに対してPebble(写真2)は、たくさんのアプリが動くオープンプラットフォームです。例えば、世界時計など、さまざまなアプリケーションをこのデバイスの上に作ることができます。

写真1●米Pebble Technology創設者兼CEOのEric Migicovsky氏
写真1●米Pebble Technology創設者兼CEOのEric Migicovsky氏
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 私たちは、ハードウエアとソフトウエアのエコシステムを作ろうとしています。直近のCESでは、アプリストアを発表しました。Foursquareや睡眠トラッカー、ジョギング支援アプリ、ゲームなど多様なアプリケーションをダウンロードできるようになりました。

御社のエコシステムには、どれくらいの開発者が参加していますか。

 CESでの発表後、1万人の開発者が参加し、1300個のアプリケーションが登場しました。開発者を集めるのは、簡単ではありません。Pebbleユーザーの半分は米国にいますが、それ以外は米国以外にいます。我々のSDKを、世界中の適切な人に配る必要があります。

写真2●腕時計型のスマートデバイス「Pebble」
写真2●腕時計型のスマートデバイス「Pebble」
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この種の製品には、「ニワトリと卵」問題があります。製品がないとアプリは開発されませんし、アプリがないと製品は売れません。

 その問題に対しては、私たちは楽ができました。クラウドファンディング「Kickstarter」を使うことで、1カ月で1000万ドルを調達できたのです。ここで製品コンセプトが認められたことにより、これまでに1年半で30万ユニットが出荷することができました。