リクルートホールディングス(リクルート)はスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2014」に合わせ、Firefox OSの普及に向けて米Mozilla Corporation(以下モジラ)との提携を発表した。なぜリクルートがモジラと提携するのか。その理由や背景を同社R&D戦略室 室長の岡本 彰彦氏らに聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=日経コンピュータ


リクルートホールディングス
R&D戦略室 室長 岡本 彰彦氏(中)、同 アライアンス戦略部 アライアンスグループ 兼 全社IT人材開発プロジェクト グループリーダー 石山 洸氏(左)、同 アライアンス戦略部 アライアンスグループ 兼 コンピタンスマネジメント部 宗藤 和徳氏(右)
リクルートホールディングス R&D戦略室 室長 岡本 彰彦氏(中)、同 アライアンス戦略部 アライアンスグループ 兼 全社IT人材開発プロジェクト グループリーダー 石山 洸氏(左)、同 アライアンス戦略部 アライアンスグループ 兼 コンピタンスマネジメント部 宗藤 和徳氏(右)

リクルートとモジラの協働の内容を確認したい(関連記事:[MWC2014]楽天やリクルートがFirefox OS向けコンテンツプロバイダーに)。

宗藤氏:今回のモジラとの取り組みは大きく三つある。一つはグローバル市場への対応。我々がグローバルベースのアプリを出す。具体的にはカメラアプリ「cameran」をFirefox OS向けにリリースした。今後は「SeeSaw」(シーソー、投稿した写真や動画が8秒で消えるサービス)というアプリを3月に追加で投入する。

 二つめは「ホットペッパーグルメ」など日常消費領域アプリのFirefox OSへの対応、三つめは国内でFirefox OSで使われるHTML5についての開発支援と普及の促進だ。

提携の経緯は。

宗藤氏:昨年(2013年)の夏前からモジラとは話をしていた。リクルートは、アプリ開発コンテスト「Mashup Awards」(マッシュアップアワード)を開催している。その活動の一環として、ハッカソンを全国8カ所でやっていて、コミュニティ活動をしている中でモジラと出会い、「いっしょにやっていこう」という雰囲気の中から今回の話が進んだ。

岡本氏:マッシュアップアワードは過去9回開催している(関連記事:アプリ開発競う「Mashup Awards 9」、最優秀賞は“ワンクリックで飲み会予約”)。日本でのオープンイノベーションに貢献していると自負している。これまで全部で500のサービス、60社の企業パートナーを得て、そういった方々が提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)は200以上になった。マッシュアップアワードが企業と開発者を結ぶオープンイノベーションの場になってきた。