2014年2月24日から27日までスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2014」には、NTTドコモも展示ブースを構えており、ここ数年、同社代表取締役社長がキーノートスピーチに登壇している(関連記事)。同社の海外展開について、執行役員国際事業部長の紀伊肇氏に聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=日経コンピュータ


NTTドコモ 執行役員国際事業部長の紀伊肇氏
NTTドコモ 執行役員 国際事業部長の紀伊肇氏

最初に海外展開の考え方を聞きたい。

 縦軸に「ネットワーク」「基盤プラットフォーム(決済・認証)」「サービス/サービスプラットフォーム」のレイヤー、横軸に「ステージ1(音声)」「ステージ2(モバイルインターネット)」「ステージ3(スマートフォン)」の段階を設け、そのマトリックスを作った上で考えている。

 新領域はサービスレイヤーに該当する。新領域に取り組むには、相応のネットワーク、そしてデバイスも必要になる。このマトリックスを各国・地域の状況に当てはめて、出資や提携を進めている。こうした枠組みの中で、内(国内)から外(海外)、外から内、外から外、のそれぞれで展開を模索している。

 これから日本のマーケットはそれほど伸びなくなると考えており、サービスを海外にも広げていく必要がある。ただし、顧客基盤が海外にはないため、その際は出資先や提携先の事業者と組みながら出ていきたいと思っている。

 以前は海外のキャリアに出資する際は、出資から上がる配当や連結利益を手にするといった海外ビジネスだったが、これからはサービスのレイヤーで海外ビジネスに出ていこうとしている。新領域の海外展開は、デジタル系とノンデジタル系に分けて、基盤整備、準備をしていく段階だ。

 デジタル系はデジタルコンテンツ、ノンデジタル系は、例えば、らっでぃしゅぼーややオークローンマーケティングなどが該当する。そこで扱っているリアルなものについても連携して海外に出していきたい。パートナーはこれから探すところだ。

サービスレイヤーという点では、OTT、例えば米グーグルのサービスはAndroidで最初から使える。

 そこは競争になる。我々はデジタル系についてはコンテンツを自ら持ち、コンテンツプロバイダーになりながらサービスを展開している。将来的に可能性が出てきたとき、自らでやっていけるだけの経験や体力を持っておこうと思ってやっている。