Googleが日本のIT教育を支援、5000台のRaspberry Piを提供へ――。

 Googleの支援を受け、NPO法人CANVASがこの春から本格的に活動を開始したのが、子どものプログラミング学習を支援するプロジェクト「Programming Education Gathering(PEG)」である(関連記事)。狙いは、子どもが継続的にプログラミングを学習できる場やコンテンツの提供。このPEGのワークショップを監修するのが、青山学院大学・津田塾大学 非常勤講師の阿部和広氏だ。プログラミング学習のツールとして、なぜ子どもたちに小型のPCボードであるRaspberry Piを提供するのかを同氏に聞いた。

(聞き手は田島篤=出版局)


多くの小学校にはすでにパソコンが配備されている。なぜ、そうしたパソコンではなく、Raspberry Piを使うのか。

写真1●青山学院大学・津田塾大学 非常勤講師の阿部和広氏
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 プログラミング学習を支援する場として、これまでにもプログラミング環境ScratchやRaspberry Piを使ったワークショップを数多く実施してきた。その成果を取り入れた書籍『Raspberry Piではじめるどきどきプログラミング』『小学生からはじめるわくわくプログラミング』(ともに発行は日経BP社)も執筆・監修している。

 こうした経験に基づき、子どもたちにプログラミングを継続して学習してもらうには、さまざまな理由から現状ではRaspberry Piが適していると判断した。

具体的に教えてほしい。

 主に5つの理由がある。順不同で説明しよう。